【研修参加報告】「にも包括」はじめの一歩 〜主任相談支援専門員として地域をどう「にもる」か〜
今回は、令和8年2月28日(土)に開催された『令和7年度相談支援ネットワークふくおか 合同研修会』に参加してきました。テーマは「『にも包括』はじめの一歩 〜知る、つながる、地域が変わる〜」。東京都荒川区などでご活躍されている社会福祉法人ソラティオの岡部正文氏を講師にお迎えし、非常に熱気あふれる2時間となりました。
研修の進行に合わせて、私の心に深く刺さった「印象的な言葉」とともに、主任相談支援専門員としての私の個人的な視点を交えた感想をお届けできればと思います。
1. 支援の原動力は日々の「違和感」から
「なんかここ違う、おかしいと引っかかっているところ、問題だという風に、なんとか解きたいなと思って多分今の仕事してるんじゃなかろうかと」
研修の導入では、岡部氏ご自身の生い立ちや精神科病院での実習・勤務経験に基づく「違和感」のお話からスタートしました。私自身も日々の業務の中で、「制度の狭間で困っている人がいる」「何かがおかしい」とモヤモヤを感じることが多々あります。しかし、この「違和感」や「引っかかり」こそが、私たちが問題解決に向かうための原動力なのだと気付かされ、大いに背中を押される思いがしました。
2. 「にも包括」が目指すもの:対象の大きな転換
「対象が精神障害者から精神保健上の課題を抱える者へと拡大している」
法改正により、これまでの「精神障害者(手帳を持っている方など)」だけでなく、ひきこもりや8050問題などを含めた「精神保健上の課題を抱えるすべての国民」へと対象が広がったというお話にはハッとさせられました。制度の枠から漏れてしまっている「アンメットニーズ(助けが届いていない状態)」を抱える方々にどうアプローチしていくか。福祉だけでなく、医療や保健、地域のインフォーマルなつながりを含めた広い視野を持つことが、これからの相談支援には不可欠だと痛感しました。
3. 全ての土台は「計画相談」と「主任」の力
「計画相談支援が土台だと思ってます」
どんなに素晴らしい地域包括の絵を描いても、それを支えるのは最前線の「計画相談支援」です。岡部氏は、事業所が機能強化加算などをしっかりと取得し、経営を安定させることが持続可能な支援につながると熱弁されました。 また、「基幹(相談支援センター)だけで事例検討するわけじゃない、必ず機能強化1を取ってる事業所の主任さんにみんな協力してもらう」という言葉もありました。主任相談支援専門員として、自事業所の体制を整えるだけでなく、地域の基幹相談支援センターを支え、地域づくりに参画していく責任の重さを改めて自覚する時間となりました。
4. 地域を守る「拠点コーディネーター」の役割
「拠点コーディネーターの役目は地域生活における安心の確保と地域生活移行・継続の支援ですよ」
研修後半では、基幹相談支援センターと地域生活支援拠点等の役割分担について明確な解説がありました。基幹センターの役割が地域づくりや人材育成にシフトする中、いざという時の緊急対応や、医療機関・未つながりの方へのアウトリーチなど「最前線のつなぎ役」を担うのが拠点コーディネーターであるという整理は非常に腑に落ちました。複数の事業所で連携して拠点機能を持たせる工夫など、自地域でも真剣に議論を始めるべきテーマだと感じました。
5. 完璧を目指さず、ほどほどに
「システム構築もあまり意固地にならず、ほどほどの緩めの設定の方がいいのではないでしょうか」
研修の最後に紹介された、島根県の精神科医の言葉です。完璧な「ユートピア(にも包括ケアシステム)」を作ろうと理想を高く持ちすぎると、逆に身動きが取れなくなってしまうという笑い話に、会場も和やかな空気に包まれました。
おわりに
今回の研修は、制度の解説にとどまらず、私たちが地域で果たすべき役割と可能性に気づかせてくれる素晴らしい内容でした。質疑応答の中で、にも包括っぽい動きをしていくことを「にもる」と表現して流行らせようというお話も飛び出し、とてもワクワクしました。
まずは明日から、自分の事業所や地域のネットワークで「うちの地域のここって『にも』っぽいよね!」と語り合うことから始め、地域全体で少しずつ「にもる」活動を広げていきたいと思います!

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