第35回福岡筑紫地区計画相談支援研究会(通称:チキンの会)のご報告
第35回を迎える、今回のチキンの会は、「権利擁護と虐待防止」をテーマにお話させていただきました。
正直にいうと、権利擁護や虐待防止をテーマとする研修は、研修をする方も研修を聞く方も、モチベーションとしてはあまり高くなりにくい研修と言えます。
しかし、現在では、各法人に「虐待防止委員会」「身体拘束適正化委員会」の設置が義務付けされていることに加えて、年1回以上、それぞれの研修を行う必要があるなかで、例えば、ひとり相談支援事業所でそれらの研修を実行することは、大変な作業となります。
であれば、私たち自らが、計画相談支援事業所に対応した「権利擁護と虐待防止」研修を開催することで、それぞれが準備しなくてもよいことに加えて、同時に、業務の中で、普段の気が付きにくいことを、研修を通じて改めて感じることができます。
毎日、同じ業務の繰り返しにもなりがちな計画相談ですが、計画相談の立場だからこそできる「権利擁護」「虐待への気づき」「意思決定支援」などがあることを、研修を通じて、改めて実感してもらったのではないかと思います。
計画相談の相談支援専門員の契約書には、「公正中立」「権利擁護」が謳われていることをみなさんはご存知でしょうか?
そのために、相談支援専門員自身がいかに「人権」「権利」に敏感であるべきか?
そして、それが犯されていることに気づくことがいかに必要なのか?
みなさんにお伝えできればと思い、内容を組み立てました。
もちろん、計画相談ではない方が聞いても、問題ない内容にもしています。
支援者が支援を行うなかで、どうしても「腑に落ちない気持ち」「モヤモヤするできごと」に直面することがあります。
そういった不安定な感情を抱える背景には、よく、「人権侵害」や「不公平」「不条理」が隠れていたりします。
それをスルーしてしまえば、権利を擁護するどころか、権利侵害に加担することにもつながってしまいます。
権利に敏感であるためには、私たち自身が常に「公正」「中立」であることがいかに大切かを理解する必要があると感じます。
例えば、安易な運営法人の指示に安易に迎合することによって、相談支援専門員自らが加害者になってしまうことがあることを理解する必要があります。
本当に、「障害を抱える方々の不利益になっていないか?」「私たちが都合よく解釈することで、本人の意思決定を侵害していないか?」「本人が希望を達成する上での課程を大事にしているか?」
忙しさを理由に、少しでもそういった安易な動きをしている相談支援専門員は、今一度、自分の立ち位置と求められていることを再確認していくことが必要だと思います。
そのための「権利擁護と虐待防止」研修になればと思いました。
ぜひ、みなさんからの感想をお待ちしております。
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