2024全国相談支援ネットワーク研修in岡山に参加して


2024全国相談支援ネットワーク研修in岡山に参加してきました。

今年度に入り、私たち計画相談支援室ノーマの周辺では慌ただしい変化が生じるとともに、業務内容の増加と計画相談としての安定運営が反比例していく状況がつづきました。


業務内容が増加したのに、運営が厳しくなるということを不思議に思う方もいるかもしれませんが、もはやノーマは、那珂川市にあるひとつの事業所ということではなく、那珂川市及び筑紫地区、福岡県を跨いでの役割が生じている事業所のひとつでもあります。


「福岡県」にまつわる業務としては、ノーマに所属する3名全員が福岡県の相談支援専門員やサービス管理責任者の養成研修に関わり、その講師やファシリテーターとしての派遣を行なっていることがあげられます。

「筑紫地区」にまつわる業務としては、ノーマに所属する3名の相談支援専門員は、筑紫地区における自立支援協議会の相談支援を筆頭に、地域のネットワーク会議にも可能な限り参加を行いながら、主任相談支援専門員の役割に対する働きかけを行なっていることがあげられます。

「那珂川市」においてまつわる業務としては、基幹的な機能としての相談支援体制の構築のための動きと、地域で奮闘する相談支援専門員やサービス管理責任者等に対して、開かれた「実践に基づく研修」の開催を毎月行っていることがあげられます。


私たちの実働の半分は、このような地域にまつわる業務内容で占められている状況ですが、私たち自身もまた、自分たちの役割を認識し、率先して取り組むようにしています。



また私たちは、筑紫地区及び福岡市の4つの事業所と、地域における相談支援専門員の質の向上と、地域生活拠点としての機能を維持するための「協働体制」を構築したことは、前回にもお話した通りです。


私たちの地域は、それぞれの地域での歴史的背景から、筑紫地区5市それぞれの基幹相談支援センターを地方自治体が直営での運営を行なっている状況であり、これらのメリット・デメリットも含めて、様々な課題が山積みとなっている地域です。


そのため、私たち自身が現場で奔走しながらも、地域の相談支援専門員の人材育成を行い、次の世代も含めた地域における相談支援体制の構築を支援することは、これからの相談支援体制を担う人材を育てる上で、私たち主任相談支援専門員にとっては重要な役割であり、その役割は日に日に大きくなるばかりです。


地域にとっての中核的機能を担う主任相談支援専門員であれば、主任相談支援専門員としての正しい役割の把握や実行力、行動力により、その地域の相談支援体制の質と力量に大きな影響を及ぼします。


だからこそ、今後の主任相談支援専門員や協働体制のあり方、地域自立支援協議会の運営、各部会における役割など、国が求めている「本質」を理解し、地域から取り組んでいく必要性があると考えます。


そのために、私たちは可能な限り全国における相談支援専門員研修に参加する必要性を感じたのです。


何よりも「日本相談支援専門員協会」は、国の制度に大きく働きかけている職能団体としての大きな役割があり、今後、ますます地域のために動くためには、その関わりを深めていく必要があると感じています。


2日間に渡る研修を通じて、元旦から大きな災害に見舞われた地域で奔走する相談支援専門員たちの苦悩を知り、また、どのようにしてその相談支援体制を構築し、最終的には他の団体を凌駕する結果を出すことに成功したのか?


そのなかにある相談支援専門員として当たり前の「権利擁護」の視点を持った関わりの重要性と、相談支援専門員としての業務遂行力・実行力の強さ、普段の基本相談を通じた関わりの大切さを痛感することができました。


計画相談の相談支援専門員が、普段の利用者やその家族はもとより、地域との関わりのなかから「基本相談」をなくした時、それは、本来の相談支援専門員を創設した際の目的を失うことに等しいということでもあるということです。


他にもグループワーク研修を通じて衝撃を感じたのは、とある地域では、主任相談支援専門員になるための「県独自」のルールとして、①専ら相談支援事業所に従事していること(専従の相談支援専門員であること)、②以後、初任者・現任者研修に講師・ファシリテーターとして参画すること、③地域の自立支援協議会に参加ではなく「参画」すること、④主任相談支援専門員取得後に容易に法人内の異動を行わない、といった制限をかけているとのことでした。


そのため、主任相談支援専門員の研修を希望する人は少ないとのことですが、それでも、「意味のない」「加算目的の」主任相談支援専門員ではなく、「地域にとっての必要とされる」主任相談支援専門員であってほしいとの強い意志と思いがそこにはあるとのことでした。


主任相談支援専門員の役割に対する意識によって、どれだけその地域の相談支援体制に影響を及ぼすのか?その役割を担うためにどのような相談支援専門員であることが求められるのか?全国の研修に参加したことにより、各地域それぞれにある課題に直面しながらも、模索・奮闘する相談支援専門員の姿を垣間見ることができました。


自分たちの取り組みが自己満足にならないように、私たちは行政機関とも協力・連携しながら、制度に基づいた地域へのアプローチを確実に進めていく必要性を強く感じることができました。


また、地域には私たちの地区と同様に、基幹相談支援センターが行政の直営である地域もたくさんあります。


しかし、特定相談支援事業所が主体となって地域に働きかけてきた私たちのような地区もまた全国的にみると限定的であり、ある種の私たちがやってきたことへの「成果」も感じることができました。


同時に、「基幹がないから」「主任の活躍の場がないから」といった受け身の体制ではなく、主任相談支援専門員の役割を自分たちできちんと説明できるようになり、その上で、自分たちが地域でできることを明確に伝えながら、行政や地域にアプローチしていく必要性を、今回参加された相談支援専門官は明確に言われていました。


「行政が〜〜だから」「役所の担当が〜〜だから」というようなことを言っても意味はなく、それは、主任相談支援専門員側が歩み寄り動いていく必要があると明確に言われたのは、やはり、そこにこそ主任相談支援専門員の存在意義と役割があるのだと改めて感じました。


福岡県からの参加は決して多かったわけではありませんが、毎年参加している方もいることを伺うと、やはり、地域に研修内容を持ち帰る意味は大きいと感じています。


来年度の開催は「熊本県」です。


私たちにとっての身近でお隣県でもありますので、是非、計画相談支援室ノーマは、その協力も合わせて行なっていければと思います。


これからも、私たちにしかできない「価値」があることを自覚しながら、日々の相談支援業務に取り組んでいきたいと思った研修でした。



計画相談支援室ノーマ 寺川【非常勤】


福岡県からも、元気に参加しています!

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