改めて連携の意義と基幹相談支援センターの必要性を叫ぶ
先日、緊急対応が必要なケースに直面しました。ご本人のお母様が1ヶ月間の入院が必要となり、これまで関わってきた生活介護事業所と居宅介護事業所だけでは対応が難しく、短期入所を特例と利用して受給量を最大量まで増やしての受け入れ先を探すという手続きが必要となるケースでした。しかし、当のご本人は、重度の知的障害でてんかん発作を持っており、てんかんが頻発すると、突然地面に叩きつけられる様な転倒のリスクが高いケースで、短期入所であればどこでも受け入れてくれるケースというわけではありませんでした。しかも、お母様の入院の日は一刻一刻と迫るばかり。計画相談としては、他の業務も行うことが求められますので、なによりも、まず、どこの事業所から電話をかけることが良いのかすらわからない状況でした。しかし、ここで役にたったのが、これまでの研究会や研修会でつながった支援者や相談支援専門員のみなさんとの連携!これは、大いに役立ちました。個人的につながっていた福岡でも重鎮の施設代表の方の協力は、なによりも役に立ちました。最初は、おそらくリスクが高いこのケースを受け入れるには、相当量の勇気が必要だったと思いますが、困っている私を見かねて、最終的には快く協力をしていただきました。120パーセントの力を貸していただいたと思っています。
また、今回のケースが、本来の私が担当する地区ではなく、お隣の政令市であったことから、なかなか情報が入りにくい隣接市の現状を、同じ計画相談支援事業所の信頼できる相談支援専門員にご相談させて頂くことができ、活きた「情報」を提供して頂いたことが、次の選択肢につながったことはいうまでもありません。危うく、路頭に迷うところを、ピンポイントで情報を頂き、しかも、その事業所に直接問い合わせて確認した上でご返答を頂いたことで、その信頼を裏切らない行動力に敬服するとともに、私自身が、最終手段としての選択があることを知ったことは、その後の調整する際に大変心強かったです。「持つべきものは、実力ある計画相談の相談支援専門員である」とはよく?言ったものです。
そして、最後に障がい者基幹相談支援センターの存在。基幹相談支援センターは、地域の社会資源を知りながら、その課題解決を行うために必要なマンパワーや時間をつくることができる大変重要なセンターであることを改めて感じることとなりました。万が一、私が計画相談の業務を行いながら、連絡調整を行なっていたのであれば、こんなにスムーズに進むことはなかったと確信できます。私が、業務に従事している最中にも、いろんな事業所を当たって、空き状況や対応状況を確認して、受け入れの可能性が高い3事業所を教えて頂きました。後は、私の方から連絡をして調整させて頂き、その状況を説明。たまたま、その数日後に対象者のモニタリングを行うこととなっていたことから、実際に様子を見てもらうために、これまでの関わりのある事業所に加えて、受け入れの検討をしていただく2つの事業所にも参加して頂き、受け入れの検討をお願いしました。
結果、数日間で約1ヶ月分の短期入所利用の調整を行うことができました。その経過を見ていたご家族も一緒になって協力して頂き、週末は親族を含めた家族で見ることを申し出て頂きました。送迎については、生活介護事業所の協力を得られることとなりましたし、本当限界ぎりぎりまで、短期入所が受け入れてくれたことが大変大きかったと思います。しかし、今回の調整は、私の知識や情報だけでは、絶対に対応できない内容でした。もともと精神科医療の現場で仕事をしてきた私にとって、重度の知的障害を抱える方の支援は、まったくの素人と言えます。精神科を勧めることも可能でしたが、逆に、精神科の限界を知るからこそ、安易にその選択はできませんでした。そんな中での今回の調整。これまで、顔の見える連携を図ってきたこと、そのおかげで、支援機関が私を助けようと努力して頂いたこと、さらには、実際に機能している基幹相談支援センターの存在。相談支援専門員は、連携が大切であるということを、改めて知ることができました。
この場を借りて、関わっていただいたみなさんに、深く感謝申し上げます。
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