第22回福岡筑紫地区就労支援事業所運営連絡会(通称:原点回帰の会)のご報告









今回の原点回帰の会は、とても内容の濃い話ができたと思います。

参加者も、名だたる地域の就労継続支援A型事業所さん、就労継続支援B型事業所さんに集まっていただき、なかなか深いトークが行われました。

ちょうど、今回のテーマを決める際に、原点回帰の会を主催する松尾さんが、事業所として来年3月に特別支援学校を卒業する高等部の生徒たちのための「就労アセスメント」を行なっており、実際の就労アセスメントの評価を行う際に思ったことを中心に話が始まりました。



「学齢期〜青年成人期の就労準備性と切れ目のない福祉サービスとは?」と題して話が行われたわけですが、その話の内容は、主に学齢期の就労準備性についての話から、実際に学齢期から就労に向けた取り組みを行う必要性があるのかどうか?そもそも、就労のために必要なスキルを、学校や学齢期の支援を行なっている放課後等デイサービスの職員たちがどの程度理解して支援を行なっているか?学齢期の就労支援を行う際の難しさや支援者の戸惑いなど、話の内容は多岐に渡りました。

そして、その内容は、学校の先生や保護者についても言及され、実際に学校の担任や保護者がどの程度、我が子を就労に結びつける上で状況を把握できているのか?保護者は、親子関係が密接になってしまうため、どうしても守りに入ってしまうこと、そのこと自体が、我が子の力を伸ばす妨げにもなりかねないことにもなり、いかに早い段階で保護者に対して、お子様に対する適切な評価につなげていくかについても話し合われました。

将来につなげるためには、もはや児童発達支援の段階からスタートする必要性も感じるとの話もあり、盛り上がりを見せることにもなりましたが、同時に、その役割に大きな影響を及ぼすのが、第三者としての関わりである「計画相談」の重要性でもありました。

私もそうですが、もともと就労支援の現場にいたこともあり、根拠に基づいて早い段階からお子様の将来について、特に「働く」というお話しをすることが多いのですが、実際にそういった話ができる計画相談も決して多くはないということもわかりました。

単に就労アセスメントを行う場面であっても、特に保護者との話をする際に、その話の内容の差は歴然としているとのことで、いかに関わり方によって、こどもの将来の選択に違いが出るかがよく見えるとのこと。きちんと理解した上で、こどもたちに多少の負荷をかけてきた保護者とそうでない保護者と、就労に対する話を伺うなかでは、それまでの計画相談の関わりとその役割の大きさを改めて感じるとともに、私たちの関わりも、その人の人生を大きく左右するのだということを改めて感じたのでした。

私たちの支援は、対象者がひとりしかいないため、たとえば「サービスを利用したご本人」と「していないご本人」「別の事業所のサービスを利用したご本人」といった比較ができません。そういった中での私たちのような就労支援に関わる支援者は、ある意味どうにでもすることができるとも言えます。しかし、その人の貴重な時間を費やし、私たちの関わりによってその人の人生を左右すると思った時に、その方の将来への責任について、支援者としていかに考えて行動することができるかが、支援を行う差にもつながると感じることができました。

社会移行型、就労準備型、いろんな前置きのある放課後等デイサービスもありますが、はたしてどの程度の役割を果たしているのか?そのことばだけに惹かれていないか?最終的には、利用するご本人並びに家族が、事業所と協働しながら、一緒に未来をつくっていくことが、なにより重要であり、そのためには、謳うだけのそれ相当のスキルの必要性もあるのだと感じました。


職業準備性の一番ベースにあるものは、作業スキルでも体力でもなく、『援助の要請(SOS)』であることも、私たちは理解すべきです。作業だけをして満足するような支援者にはならないように気をつけたいものです。




とまぁもりあがったわけですが、私は研修を忘れて久留米に戻ろうとしていたことは内緒です(苦笑)

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