第22回福岡筑紫地区福祉倫理研究会(通称:対話の会)のご報告
松田さん率いる22回目の「対話の会」が開催されました。
今回は、私たち「福祉」の支援者が考える連携と医療・教育・産業・司法で関わる方との連携の考え方に違いがあるのか。同じ考え方や方向性で『連携する事』を捉えているのか。業務を行う中で普段から考えている「連携の在り方」について語り合うという内容で対話がありました。
対話の会は、対話という自由な発想や発言が認められる環境であることから、配信を行わず、話された内容は明かさないことが基本となっているため、どういった話があったかという点では、ここでは明かさないようにしたいと思いますが、やはり自由な発想や、自由な視点、何を言っても受け止められるという環境の心地よさを、参加されたみなさんは、改めて感じて頂いたのではないかと思います。
連携については、私自身についても悩む部分があり、それは、計画相談としての役割を担うなかで直面する「業務過多」と「相談支援専門員の心身の状態」の問題と言えます。障がい福祉、特に相談支援の現場で働く人の多くは、多かれ少なかれ「課題を抱えるクライアントに寄り添い、その課題を一緒に考えていきたい」といった強い気持ちを持った方ばかりですが、実際の現場で勤務すると、その声に応えていく私たち自身の課題に直面することもしばしばです。
突然やってきた電話の内容が、緊急性を帯びていたり、時間を問わずやってくるLINEの文章がかなり深刻だったりと、気を休めることも難しい状態であり、ひとりのクライアントのことを考えるだけでも、頭をフル回転させて思いを巡らすなかで、クライアントはひとりというわけではなく、計画計画に至っては100名を超える方々を担当しているわけですから、一度に全員が課題に直面することはないとはいえ、限られた時間のなかでやるべきことは、支援の質を考えれば考えるほど慎重になってしまうと考えます。
予定していたその日のスケジュールと、突然やってくる課題に対応する必要がでたときに、どちらを優先順位をつけるのか?そもそも、緊急性に対応できるサービスなのか?といったジレンマが生じることになるのです。それに加えて、私は法人運営にも関わりながらの業務ですので、那珂川と久留米をいったりきたりもしているのです。
連携ということばの重要性は誰もが考えうるのですが、かえって積極的に連携を図ることで広がる関係性は、時に相談支援専門員を苦しめることにもつながるのです。それは、連携を行う上での基本となること、すなわち「連携先である相手の業務内容や役割を理解した上で相手とやり取りをしているか」という課題です。
もちろん、どの事業でも同じように、私たち計画相談のやるべき役割は本来決まっていますが、私たちは必ずしも、その書かれてある内容だけを行えば良いということではなく、それ以外の業務にも取り組む必要があることは重々承知しているのです。
しかし、そういった業務の区切りがわかりにいくいからこそ、相手の理解がなければ、ある意味押し付けられる業務も増えてくるわけです。
本来の業務以外の依頼に対して、実際に断ることができない相談支援専門員は、ついついそういった依頼を受けてやってしまい、相手からすれば『相談支援専門員がやってくれること』という実績をつくっていくことになります。
それがその相談支援専門員との間だけであれば良いですが、依頼した方はそうではなく、すべての相談支援専門員がやるべきことと考えることが当然であり、場合によっては、他の場面で断った相談支援専門員に対して「あの相談支援専門員はやってくれたのに、おたくはしないなんて!」というお叱りにつながってしまいます。
「連携する」という単純な背景には、自らの業務過多であるが故の、過度の依頼に対応できないことへの私たち相談支援専門員の不安と、私たちの役割を理解した上でやりとりができるのかといった不安を感じことに対する不安が、連携に対する及び腰につながるのだと思うのです。
色んな意味で、私自身が対象者の業務を広げることができない背景には、私一人だけでカバーすることが難しいと感じることが増えているからでもあります。求められることが増えれば増えるほど、その求めに応じていくことの難しさもあるのです。だからこそ、私はよりカバーできる力のある相談支援専門員を地域に増やしていく必要があると感じるのです。
私が、対話のなかで感じたことを記載してみましたが、他の2つのグループでもちがった内容の連携について対話が行われていました。正解がない中での対話を続けることの意味を感じることができる対話の会は、私自身、相談支援専門員として「相手に寄り添う力」につながるのではないかと感じる会でした。
次回は11/11(金)午後8時から児童分野の勉強会「ハマチの会」です!予定では那珂川市の児童発達支援事業所「テクノビ」さんで開催される予定です。是非、お越しください!
↑このひとたちは、このあと深夜2時まで話し込んでいたとのことでした〜(苦笑)
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