第22回福岡筑紫地区児童発達支援研究会(通称:ハマチの会)のご報告

 


第22回を迎える「ハマチの会」ですが、今回のテーマは、『保育所等訪問支援事業のリアルと課題』と題して、保育所等訪問支援事業に関するお話を行って頂きました。

今回も、吉田さんによる軽快なトークからはじまりましたが、保育所等訪問事業の重要性は実際にあらゆる場面で言われながらも、保育園や学校になかなか受け入れてもらえない現実があります。

そんな中、実際に「保育所等訪問事業」を運営する吉田さんの、学校や園に入って、保育所等訪問事業を導入する上での苦労話や配慮、実際の現場で起きている課題や問題についてのお話がありました。



実際に、保育所等訪問の難しさは、計画相談を運営する私たちにとっても、直面しやすい問題でもあります。

保護者のなかには、実際に保育園や学校に入って、我が子の状況を見てほしいというニーズは、誰もが思っている以上に存在するのです。

しかし実際は、多くの学校や保育所等から、施設内への介入を拒否される現実があります。

それは、学校側の対応が悪いだけではなく、保育所等訪問支援のサービスを提供する事業所に対して、「そもそも何をしにくる人なのか?」「学校に他からわざわざ入ってきて、指導を受けなければならないのか?」「実際に学校や保育園等に来てはいるけど、何のために来ているのかわからない」といった、クレームにも近い声が多いのです。



最近は、那珂川市なども教育委員会との連携を図り、上手に導入を行おうとする流れもできつつありますが、実際には、現場の校長先生や担任などの理解度によっては、剣もほろろとなりやすい事業でもあります。

しかし、保育所等訪問は、保護者の立場からすると、とてもありがたいサービスでもあるからこそ、相手への信頼を確保しながら、いかにお互いの立場を理解して、受け入れながら、現場の先生や保育士さんに寄り添ったやりとりができるかが大きな課題でもあります。


そこで重視されるのが、「相談支援の技術」ということになります。

私たち計画相談を含む相談支援専門員もまた、ソーシャルワークやケースワークといった「相談援助技術」に関するプロでもあります。

相談支援の技術を駆使しながらも、相手との関係性を構築し、そして、1人の児童を中心としたチームによる協力体制を構築すること

これこそが、保育所等訪問としてもっとも重要な要素だと思いました。

訪問型の支援は、やはり相談援助技術の獲得は必須であると感じるとともに、その技術を学ぶ上では、「対話の会」や「チキンの会」の参加もおすすめします。



それにしても、専門職でもある相手の懐にはいる難しさは、訪問支援を行うすべての事業に当てはまるものだと思いました。

例えその事業所の問題であっても、その事業所が学校や保育園等に介入する際に、相手を不快にするような振る舞いや対応をしてしまうと、不信感を抱かれる結果となり、次に入る保育所等訪問事業所が入れなくなるのだと思います。

無理をして、最初から「ルールですから」と一方的な主張をゴリ押しのような介入も、全体にするべきではないのです。


誰もが疑心暗鬼になるからこそ、お互いに歩み寄って、理解しあい、共通認識(共通言語)をもてるようにすること。

当たり前のことですが、もっとも難しいことです。

そこに心血を注ぐのが、保育所等訪問の使命なのかもしれませんね。



今回も、吉田さんのお話から多くのことを学んだ気がします。

児童分野にかかわらず、是非、お越しくださいね。





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