第11回みんなで障害児者の未来を語る「かたり場」のご報告


今回のかたり場は相談支援センターこころの谷本さんをお呼びして「スーパービジョンについて~目的と意義について~」講義をしてもらった後、実際に演習としてGSV(グループスーパービジョン)を体験させていただきました。



スーパービジョンについては聞いたことはあるけど実際どのようなものなのか、福祉系の国家資格にも出題されているワードではあるのですが、良いものなんだろうなぁとは思いながらも少し敷居が高いものとして私も捉えています。私たちが従事している障害児者福祉分野においてスーパービジョンを実際に取り入れて実践している事業所が少ないことや私たち自身もスーパービジョンをスーパーバイザーとして、スーパーバイジーとして受けた事がないからかもしれません。



しかし、私たちの業務に関係する「サービス管理責任者児童発達支援管理責任者基礎研修」、「サービス管理責任者児童発達支援管理責任者実践研修」、「サービス管理責任者児童発達支援管理責任者更新研修」、「相談支援従事者初任者研修」、「相談支援従事者現任者研修」、「主任相談支援専門員研修」において既に研修の一つとして演習に組み込まれていたり、今後、組み込まれることが想定されている研修もあり、対人援助職として必要な獲得すべきスキルの一つだと問われているのだと思います。



さて、冒頭から固い話の報告となりましたが、谷本さんの講義ではまずファシリテーションの技術の必要性、ファシリテーションの4つのスキルを伝えていただきました。

① 場をデザインする(安全な場づくり)

② 対人関係の技術(情報の発散)

③ 構造化の技術(情報の収集)

④ 合意形成の技術


この辺りは先述した研修等でも触れていた方は多いかもしれませんが改めて一つ一つ確認すると実際にサービス担当者会議、モニタリング会議等で全てのスキルを機能させているかといえば私自身、自信がございません(汗)

改めて振り返させてくれる良い機会となりました。谷本さんの優しい声に救われました(笑)




次にSVに必要な3つの機能について


支持的機能

⇨相談支援専門員が自己肯定感を高め、自信を持って支援にあたることができるように支える。

・バーンアウトの防止・自己覚知の促進・葛藤の軽減


教育的機能

⇨専門職として必要な知識・技能・態度を提示し、相談支援専門員自らの課題として解決できるように育成する。
・理論と実践の結びつけ


管理的機能

⇨相談支援専門員がその能力を十分に発揮できる環境を整えるとともに、組織的にその活動を保障できるようにする。


私は今までの業務の中で「相談支援専門員へ」ということはさておき、自分の組織の同僚や後輩たちとの間でなんとなく行っていたように感じます。皆さんももしかしたらおなじような経験があるかもしれませんよね。




「担当している利用者の支援についてどのように取り組んでいる?」

「○○さんは利用者さんにどんなふうになってもらいたいの?」
「それが達成できた時○○さんはどんなことを得られていると思う?」


「今、無理なくアプローチできる方法はどんなことがあるんだろう?」

「○○さんが他の支援者で利用者に対しての関わり方やアプローチの仕方がうまいなぁと感じる人いる?」

「新たなアプローチをした後にどうなったかまた教えてね。また一緒に検討しよう」

などなど…。

スーパーバイズをやるとかやっているという認識は当然なかったんですが、結果やっていたという印象かもしれません。



講義の後は実際に事例をもとに地域づくりのGSVを行なっていきました。

私は事例を提供しスーパーバイジーとして参加したのですが気づきとしては他の参加者からアイデアをいただくことで自分に足りていない多角的な視点でその利用者、家族、地域資源を見ていくことやその利用者の背景をもう一度見直していくこと。一番は私自身の支援や思考の癖に気づく事ができた事が大きな収穫だったのではと思います。



私は相談支援専門員として業務を行なっていますが日々の業務の中で一人で業務を行う事がほとんどです。利用者やご家族と対面し対話をしていく中であらゆる状況や環境を考慮しその方にとって最良で最適なサービスは何か?を決定していきます。


そこに相談支援専門員として不安が付き纏ったり、「これで本当に良いのか?」と葛藤していきながら進めているのではないかと思うのです。


それに対して「自分の言動を振り返る事」、「利用者や家族に自分からの影響が出ていないか」、「自分自身を評価していく」反省的実践を繰り返していくためにもスーパーバイズは必要だと感じました。


まだまだ奥が深そうなスーパーバイズ…。

来年の私は「スーパーバイズ」がキーになりそうな予感がしています。

谷本さんが言われていたようにスーパーバイズがこの地域の文化になるように皆さんで学んでいけたらと思います。




GSVに参加していただいた江崎さん、川渕さん、松本さん素敵なアイデアをありがとうございました。

空中戦になると予測し迅速に素敵な板書をしてくれました石丸さんありがとうございました。



計画相談支援室ノーマ 
相談支援専門員 松田



追伸 うちの上司は、気温がマイナスのノルウェーのベルゲンから参加していましたとさw

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