【報告】令和6年度九州地区障がい者相談支援事業合同研修会 大分大会に参加してきました。



令和6年12月5日(木)から6日(金)の2日間に渡り、「九州地区障がい者相談支援事業合同研修会 大分大会」にノーマに所属する3名の相談支援専門員が参加してきました。


大分県の相談支援専門員の皆さんが主体となって開催された大会ですが、九州地区は全国の各地区の中でも研修が盛り上がっているとのことで、昨年の長崎大会に続き、今年も大分大会に参加してきました。


テーマは『「未来創造図」〜相談支援から湧き上がる♨️想いをつなげて=』と題して、様々なプログラムが開催されていました。


オープニングセレモニーでは、書家の三重野文緒さん(https://www.instagram.com/oita_shodo_fumio/)による書道パフォーマンスが行われ、今回のテーマである「未来創造図」という文字を、その場で書くというパフォーマンスが行われました。音楽に乗りながら繰り出されるパフォーマンスは圧巻で、文字の持つパワーに圧倒されながら最後まで見入りっていましました。まさに、オープニングを飾るにふさわしい内容でした!


次に第一部に行政説明として、厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課地域生活・発達障害者支援室の小川専門官による「報酬改定後の状況と今後の障害福祉の動向」と題した行政説明が行われました。


個人的には、岡山での全国研修に参加したため、より濃い内容のお話を聞かせてもらったと思っていますが、やはり、報酬改定が行われて時間が経過するごとに出てくる新しいデータによる状況の解説は、今後の私たちの方向性を決める重要な情報でもあるので、まさにこの情報を聞くために参加する意義があると思っています。


また、そのお話は、厚生労働省のお役人、専門官というまるで「雲の上の人たち」といった考えになりがちですが、実際には、相談支援専門員として従事した経験のある専門官のお話や、直接、身近な業務のお話を聞かせていただくことで、私たちの業務に対して、厚生労働省としても今後に強く期待をしていることを感じる機会でもあります。

相談支援専門員の価値、ソーシャルワークの価値の向上を図る上でも、私たちにとって、それぞれの地域に戻ってがんばる「勇気」「元気」を頂いたように思います。


また、日本相談支援専門員協会の富岡氏による「これからの相談支援に求められるもの」と題してのお話は、私たちの業務の重要性を再確認しながら、「ケースワーク」「他職種連携・チームアプローチ」「コミュニティワーク」といった、ソーシャルワークを実践しながら、多様な地域ニーズに対処していく(何とかやりくりする)ことが求められることを改めて感じました。そこには、改めて「基本相談」の重要性であり、よくありがちな「お金になるならない」の議論そのものを否定するべきものでもあることを示してくれました。


加えて、限られた社会資源を有効に活用すること、最大限にその力を引き出すために、『最小限のサービスで、健康に生きる道を障害者とともに考える』(=障害者を福祉サービスだけで考えない)というお話も、私たち相談支援専門員にとってとても大切な役割であることも気付かされました。

サービス不足は地域における深刻な問題ではありますが、かといってそのデマンド(要求)に応じることだけが私たちの役割ではありません。そこにある本質的なニーズを汲み取り、必要な量を適切に提供するために考える。まさに、私たちの存在意義であり、存在価値であることは言うまでもありません。


また、個人的にも私がこれまで行ってきた相談支援専門員のための研修である『計画相談のきほんの「き」』に通じるような内容であり、筑紫地区で先駆的に取り組んできた「チキンの会」に代表するような相談支援専門員を支える活動についても、改めてその必要性を感じることにつながった内容でした(チキンの会をはじめとした活動については、改めて皆さんにお話したいと思います)。しかし、これまでのような私的な活動で行うことよりも、これからはその主体・ステージを、地域の『協議会』で行うことが求められるのだと確信しています。私たちノーマにおいても、その『公開研修』というなかで、地域の相談支援専門員とともに考えていく機会を提供していきたいと思っています。


第三部には、「笑って元気!」と題して、口演家 矢野大和さん(https://yanotaiwa.com/)による講話が行われました。個人的に、人のお話を聞くのは大好きな私ですが、早口なのに明瞭かつしっかりと聞き取れるその話術は、単におもしろいを超えて、私たちが大切にすべきことなどを考えるきっかけとなり、とてもよい学びになりました。笑いを通じて、人との関わりやコミュニケーションの大切さを改めて感じることができました。私自身、研修をさせて頂く機会があるのですが、単に話をするのではなく、こころに残る内容にしたいとの思いもあり、笑いありの楽しいものにしたいと常々思っています。まさに、今回のお話を通じて、個人的にもしっかり学びを得ることができた機会となりました。


初日は、これらのプログラムで終了したのですが、その後は、福岡県の相談支援専門員が一同にあつまっての懇親会が催されました。久しぶりの方々から、研修ファシリテーターでお会いする馴染みの方々まで、多くの方々にお会いする機会になりました。その後も、2次会と続き、きがつけば午前様になるまで飲んでいた1日でした。こういった機会もまた大切な時間だと思っていますが、同時にできれば、県外の相談支援専門員の方々ともお話できる機会になればなと思いました。


次の日は、流石に寝不足でしたが、それでもなんとか目を覚まして、会場に向かいました。夜遅くまで飲んでいた仲間たちとも合流することができ(笑)、無事に2日目のプログラムにも参加することができました。2日目の第四部は、「これからの地域で共に暮らすとは…未来にあるべき地域共生社会」と題しで、4名のシンポジストによるお話がありました。先駆的な取り組みを行っている4つの法人代表の皆さんのお話を伺い、改めて相談支援専門員として、地域でがんばっている方々をどのように支援し、応援していくかを考える機会となりました。また、先駆的に取り組んでいる皆さんを「特別視」するのではなく、その背景を理解しながら、相談支援専門員としての関わり方、活かし方を一緒に考えていく機会が必要だとも感じました。求められる地域共生社会の実現に向けて、相談支援専門員としての役割が多いに期待されていることを自覚し、私たちも地域に戻って考えていければと思います。


第五部は、「相談支援専門員が地域創造のために必要なこととは?」と題して、九州各県の代表が、それぞれの思いを語る「九州サミット」が開催されました。福岡県を代表して、ネットワーク福岡の代表でもある池田さんのお話を伺い、福岡県では、私たち相談支援専門員の地域の有志が、各地域で周囲を巻き込んで活躍している実情を話してもらいました。2つの政令市(福岡市と北九州市)と1つの中核市(久留米市)が存在する福岡県は、それをひとつにまとめることはとても大変なことかもしれません。しかし、私たち相談支援専門員がひとつになって、福岡県を支えていくことが、これからの私たちの地位向上、役割の期待につながると思います。人材確保、人材育成、質の向上といった課題にどのように向き合っていくのか?これからの福岡県の「未来創造図」をともに作っていきたいと思いました。





帰りの運転は眠気と疲労で死ぬかと思いましたが(苦笑)、それでもとても充実した2日間でした。開催県の大分県の実行委員の皆様をはじめ、多くの関わった方々に御礼申し上げます。来年は宮崎県が開催とのことで、少し遠方になりますが、次の開催も是非参加できるように、今から私たちも準備していきたいと思います!

主任相談支援専門員 寺川【非常勤】













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