《2019年新年号》ノーマ通信

新年あけましておめでとうございます。
本年も計画相談支援室 ノーマをよろしくお願いいたします。

恒例ですが、私なりの平成30年を振り返りをここ数日で行いました。

正解、不正解ではありませんが、今の想い、今の感情をストレートに記載しています。

お時間のある方は、是非、お読みいただけたら幸いです。



「何のために、計画相談は存在しているのか?」


まもなく、計画相談というこれまでなかった新しい職業に従事して、私は5年を迎えようとしています。おそらく、計画相談だけを変わらず5年続けている人は、現段階ではまだ全国的にも少ないのではないかと思います。紆余曲折を味わいながら、真剣に計画相談のあり方を模索するなかで、私なりの計画相談の「存在意義」「存在価値」を見出す努力してきました。計画相談歴として5年を迎えようとしている今、私は、これまでの計画相談のあり方では、計画相談が世間に認知され、発展していくのではなく、むしろ、最終的には消滅していまうか、そこまではなくても形骸化してしまうのではないかという危機感を抱くに至りました。なぜなら、計画相談支援に関わる私たちが、将来の自分たちのあり方、あるべき姿を詳細にイメージできている人があまりにも少ないと感じたからです。それが意味することは、私たちは今をただひたすら生きているだけであり、自分たちの将来を見据えた行動ができないままであることに他なりません。それは、制度によって私たちそのものが左右されてしまうことであり、いろんなことを考えていたとしても、私たちが声をあげるような機会をも奪ってしまうのです。そんな中でも、一生懸命「計画相談とは如何にあるべきか」を真剣に考えている人たちは、今、まさに悶々とした思いで業務に当たっているのではないかと思うのです。


「計画相談としての私たちが求めるべきあり方は何なのか?」


私は、時々周囲の方々から、「計画相談はあなたにとって天職だ」と言われます。しかし、私自身は、「天職」という実感はこれっぽっちもありません。むしろ、計画相談が誰の役にたっているのかということを、個人的には未だはっきりと答えきれない状況です。ただひとつ言えることは、私が仕事をしていくなかで最も苦しいのは、「自分の本心ではないことを、あたかも本心のように相手に伝えること」です。だから、正解不正解はこの際置いといて、私はこれまで、上司の命令であれなんであれ、理不尽な要求に対しては、後先を考えずにブチ切れて(笑)その場から離れる行動をとってきました。要は、相手が誰であれ、言いたいことをいって、すぐに辞めてきたということです。単なる短気で頑固な人間だったということですね(苦笑)自分の気持ちのどこかで、いつも私の「存在意義」を探していたように思います。そんな性格が幸いして、私が計画相談を始めたときは、厚生労働省の出す資料や計画相談にまつわる本などにかかれてある「計画相談の目的と意義」の部分をかなり読み込んできました。そして、私の計画相談を行う上での基礎(ベース)となっているのは、言わずと知れた「公正中立」「権利擁護」ということばです。おそらく、人一倍「公正中立」にはこだわった人間だと思います。当時、所属していた法人を説得し、納得してもらった上で法人内の利用者さんの計画相談は、私たちから契約を促したりすることは決してありませんでした。そのため、私はいつでも自信をもって、「私たちは公正中立な立場でいることを重視している」と契約者にはまっすぐお話することができました。ひとえに、母体法人の計画相談に対する理解と、法人のしっかりとした運営指針にあると思っています。逆に、真面目に計画相談に関わる人々の多くは、このことばの意図することと、実際に置かれている現実の狭間で、かなり苦しんでいると考えています。


「求められる公正中立と権利擁護」


計画相談のあり方として、本当に公正中立を守れている事業所はどれくらいあるでしょうか?たとえ自分の意識のなかでは守っているつもりでも、周囲の目はどのように映っているのか?私たちはどこまで真剣に考えてきたでしょうか。本当に「公正中立」「権利擁護」を謳うのであれば、単独法人の独立型の計画相談支援事業所になる必要があると考えます。そうでなければ、事業所内でどのように正しい運用をしていたとしても、たったひとつでも、関連する他の事業所を運用していれば、(利用者全員とは言わないまでも)周囲の目は必ずしも公正中立には映らないからです。しかし、実際は単独事業所として計画相談を運用していくのは本当に過酷であり、簡単ではありません。だからこそ、厚生労働省は、私たち「計画相談」をどこまで本気で考えているのか疑いを持たざるを得ないのです。私たちの周辺には、ありがたいことに独立型の計画相談支援事業所がたくさん存在していますし、そういった事業所が、私たちの身近にある意義はとても高いと思っています。だからこそ、単独事業所が生き残っていくシステムをつくっていかないといけないと私は思っていますし、そのためのスキームを作ることを今、同じ業務を行なっている、もしくは行おうとする方々に対して、安定的に業務を遂行するためのノウハウを伝えることを一番重要視しているのです。


「たとえ綺麗事だとしても、そこを追い求めていきたい」


「そんなことは綺麗事だ」という方もいるでしょう。しかし、私は、福祉こそ「綺麗事を追い求めて、現実化していく仕事」だと思っています。私たち相談支援専門員の安易な対応で、これまでどれくらいの方々の人生の選択肢を閉ざしてきたのでしょうか?綺麗事を追い求めていかなければ、この世に計画相談をする人なんてほとんどいませんし、実際に計画相談は経営的に逼迫しているのですから、始めたとしてもすぐに辞めてしまうでしょう。(辞めた事業所の法人を悪くいっているのではなく、実際には、逼迫しながら継続している事業所が多いという意味です。)そういった現状のなかで、同じ職域で働いている私自身も、「仕方ない」で済ませたくないと思っています。まずは、何かしらの対策を考え、具体的な行動をしていきたいと考えています。計画相談を始めてから、この地域のなかで最も長く計画相談を行なっている者のひとりとして、この課題に取り組みながら、あとに続く計画相談の担い手を育てていく必要があると感じているのです。だからこそ、私たちは将来の計画相談の担い手からの会議等の同行依頼の相談は、100パーセント引き受けています。


「計画相談を続けたいからこそ、計画相談の収入割合を減らす努力を」

少しずつ、収入を10対0から、9対1、8対2と、計画相談の収入割合を減らしていくことをお勧めします。計画相談をしながら、こんなことをいう相談支援専門員はいないかもしれませんね(笑)でも、私は真剣です。その目的と意義は、私の周りにいる人は理解できると思います。はっきりといっておかなければならないのは、私は、「計画相談の仕事が大好き」です。だから、計画相談業務を誰よりも続けていきたいひとりです。私が運営している計画相談支援室 ノーマの最大のウリは、ご自身が望まない限りにおいては、「担当者が変わらない」ということです。担当者が異動したり、担当者がいなくなったり、担当者がいなくなったことで、別の事業所に振り分けられたりすることが少ないのです。(←ダメといっているのではなく、そういったリスクが少ない事業所だということです。)私も、長く担当している利用者さんで、すでに4年以上の付き合いのある方もいます。まだ、計画相談が始まってから約3年程度であるにも関わらずです。話が逸れましたが、私は、計画相談を続けていくために、計画相談にまつわる制度改正に影響を受けずに続けていく努力をすでに始めています。簡単に言えば、計画相談でもなく、障害福祉サービス等を運営するわけでもない収入源の確保を、これまでも常に考えながら、実際に行動してきたのです。まだまだ小さい収入ですが、着実に増やし続けており、そのおかげで事務員さんも雇い入れることができています。その積み重ねの結果が、たとえ制度改悪で計画相談の収入が減少する傾向にあったとしても、なんとか計画相談を維持できる収入を確保していきたいと考えているのです。全体の収入は計画相談を含めて、支援の質を担保しながら、最大限上げる努力を行なっていくことで、計画相談の収入割合を減らすことが可能となります。


「他の福祉事業とは違うからこそ、常に自由な存在であってほしい」


計画相談を担っている人の多くは、「法人(経営側)の計画相談に対する理解の乏しさ」に対して、みなさんが想像する以上に苦しんでいます。もちろん、相談支援専門員自体の問題・課題もあると思いますが、私のところにくる相談支援専門員からの相談の多くは、母体法人の計画相談に対する無理解に対する悩みです。計画相談というのは、貸借対照表だけをみれば「運営する必要のない事業」です。「自分の事業所に来ている利用者だけは、自分のところの計画相談に担ってほしい」ということだけで設立したとしても、もってせいぜい3年です。それは、事業を継続するのが3年ということもあるかもしれませんが、それ以上に、そこで働く相談支援専門員が3年もたないのです。期待も役割も小さい中で、しかも場合によっては兼務状態で、自分の計画相談に対するモチベーションを維持することは本当に難しいのです。私は、だからこそ「そうではない道」の選択をお勧めします。そう難しいことではありません。もっと、相談支援専門員を自由にしてあげてほしいのです。相談支援専門員を信頼してほしいのです。そうすれば、相談支援専門員は責任をもってのびのびと仕事をします。新規の利用者を増やすでしょう。当然、利用者が増えれば収入も増えます。同時に、そのがんばりが法人に「信用」となって返ってくるはずです。しかし、いろいろと訴えてきたものの、現実はなかなかそうはさせてもらえない。だから、「独立したい」「もっと理解のあるところにいきたい」と相談支援専門員は口には出さなくても、頭のなかで考えているのです。


「人材流出は地域の損失であり、計画相談も例外ではありません」


相談支援は、地域の福祉を担う中核です。そのこと自体は、行政も各支援事業所も、徐々に理解がすすんできていることを私自身も実感しています。国の制度によってどうしても振り回されてしまいがちですが、国も目的や根拠もなく制度を作るわけではないと思っています。であるならば、私たち自身にも存在価値があるはずです。相談支援専門員になるためには、国家資格取得者で経験が5年必要です。しかも、5年で相談支援専門員になったら、すぐに計画相談として力を発揮できるかといえば、必ずしもそうではありません。やはり、そこから実践を積み上げていき、行政や支援事業所からも信頼されるようになって始めて、新規の利用者さんの依頼が増えてくるのです。本当に地域に根ざした相談員になるまでに何年必要となるでしょうか?そこで、その人を簡単に異動させたり、ましてや退職に追い込まれたら、その地域の相談支援体制が整うまでに、どれくらいの時間を要することになるでしょうか?事業所都合で片付けられるかもしれませんが、地域はそういうわけにはいかないのです。実際に、大手の社会福祉法人さんは、どうしても異動があります。だから、事業所の変更を望む利用者さんまたは保護者さんが、実際に増えていきているのです。計画相談を運営するその責任を、法人としてどのように考えているかについても、ちゃんと利用者さんは見ていると思います。もう、昔の右も左もわからない利用者ではないのですから。


「計画相談は『量から質へ』『広域から地域へ』」


平成30年2月1日、私は、長年お世話になったNPO法人とびらを退職して、あらたに「計画相談支援室 ノーマ」を設立しました。母体法人は久留米なので、30キロ離れた法人に所属しながら、那珂川市及び春日市の利用者さんを中心に担当させていただいています。もう、なんどもお伝えしていると思いますが、私がノーマを立ち上げたきっかけは、近い将来、計画相談が「量から質」を問われる時代がそこまできていると肌で感じたからです。私たちは、3階ラボ当時から、歴史ある事業所に対するクレームの声を、支援中に「他のご家族のお話」としてずっと聞かされ続けてきました。決して私たちも、すべての方々にきちんとした計画相談を提供してきたわけでもないにも関わらずです。私は、すぐに法人にその旨を伝えて、すぐに利用者さんを減らす努力が必要であることを訴えたのです。結果的に、私が「辞める」という理由で、一部の方々には他の事業所に移ってもらいましたが、その時にあわせて、「これからは地域密着型だ」という意識が芽生えたのをきっかけに、ノーマ設立時には那珂川市と春日市に限定させていただいたのです。この選択は、本当に正解だったと思っています。ただ、これらができたのは、私がそれまで広域で担当してきたからこそわかったことだと思っています。多い時では、ひとりで220人以上みてきたからこそ、今の私があり、ノーマがあると思っています。


「計画相談は、いよいよ選ばれる時代へ」


計画相談がはじまって、約3年が経過しました。ここにきて、計画相談支援事業所の設立ラッシュがはじまっています。これまでは、「どこでもいいので、担当してくれる計画相談を探している」という状況から、「私にあった、計画相談支援事業所を見つけたい」に変わってきています。言い換えると、これまでは受けてくれることが評価だったことが、今は、きちんとやってくれることが評価となったのです。いよいよ、計画相談も他の福祉サービス同様に、選ばれる時代になりました。私がはじめたころは、新規利用者数は、月に20件〜30件が当たり前でした。今は、月1〜5件です。地区や障害種別といった「受け入れる幅」に制限を設けている計画相談は、いよいよ新規の利用者獲得が難しくなるかもしれません。実績がなければ、市役所も事業所も紹介に対して及び腰になります。だからこそ、実績を積むことが求められるのです。これまで私が言ってきたこととは全く正反対かもしれませんが、新しく始めた方は、まずは実績づくりを行なって、たくさんの事業所とつながる努力をした方が、結果的に自分のやりたいことに近づいていくと思います。そして、謙虚に取り組む姿勢。私は、自分の知識や技術をアピールすることは絶対にしません。必要なときに、必要な情報をお伝えするだけです。知識や技術は、信用や信頼にはあまり影響しません。必要なのは、知識よりも「謙虚さ」と「共に学ぶ姿勢」だと思います。


「何のために私たちは計画相談を行なっているのでしょうか」


本当は計画相談支援事業所として独立したい。してみたい。でも、経済的なこと、新しいことを始めることへの不安など、様々な思いが錯綜していることでしょう。でも、そんな不安を抱えながらも、実際にやっている計画相談の皆さんの表情はとても晴れやかです。女性でも、男性でも。みんな計画相談が大好きなのだと思います。時々、私もふと考えます。なぜ、私は計画相談をやっているのだろうかと。実は、私のこれまでの人生のなかで、一番長続きしている仕事が「計画相談」です。最初は、以前に勤務していた法人から、半ば強引に設立を指示されてはじめた計画相談ですが、それから丸5年を迎えようとしている今でも、私は計画相談をベースに業務を行なっています。先程述べたように、今は久留米市の法人に所属していますが、私は、その法人の役員でもありますので、計画相談については、私がすべて決めて行なっています。どう進むかは、私の意思がすべてなのです。平成30年8月に新人の相談支援専門員を迎え入れました。たまたま計画相談支援事業所主催の飲み会の席で、私よりも10歳年下の児童発達支援管理責任者をしている男性と出会い、たまたま近くに座って話をしただけなのに、本当に今考えても面白いのですが、それから2〜3ヶ月後には、ノーマに所属して働いているのですから、縁とは不思議なものです。ただ、彼の存在が、ノーマの将来の選択肢を大幅に広げてくれました。ひとりで行う計画相談は、やはり限界があります。しかし、ふたりになると、いろんなアイデアや選択肢が増えてくるのです。何気に行なっている会話のなかに、たくさんのヒントが隠されていたり、彼がいてくれることで、また、あらたな事業所とのつながりが広がったりしています。昨年は、事務員さんだけを残してデンマークに行った私でしたが、今年は彼がいて本当に安心して行くことができました。計画相談は、やはり福祉のなかでも「縁をつなぐ」仕事だからこそ、誰もが好きになってしまうのかもしれませんね。あ!縁(エン)をつなぐ(コネクト)とはいえ、「エニシンコネクト」とは無関係です(笑)


「ソーシャルワーカーとしてソーシャルアクションを」


計画相談は、地域の利用者さんを通じて、地域で求められるニーズを知る機会が数多くあります。そのニーズを知りながら、社会資源に乏しいと、ソーシャルワーカーとしてなかなか力が発揮できないことがあります。ないものを私ひとりが「どんなに作って欲しい」と訴えても、相手を変える、相手を動かすためには、やはり多大な労力と時間を要します。自立支援協議会に提案するにも、ひとつの事業所がどんなに訴えたところで、そこに本当にニーズがあるかどうかといった客観的な証明をするまでには、単独では説得力に欠けるかもしれません。であるならば、私たち計画相談を含む地域の福祉事業所は、できるだけ連携を図っていきながら、一緒に行動することも重要となります。例えば、この地域には、「基幹相談支援センターがない」とかれこれ数年前からずっと訴えてきたのですが、よくよく考えてみると、この地区に基幹相談支援センターを担う法人がないことも同時にわかったのです。であれば、ほかの地区の法人に行政は依頼することも考えるかもしれません。でも、それで本当に正解なのでしょうか?私たちが本当に望んでいるのは、地域に根ざし、地域のことをよく知る、そんな団体に基幹をお願いしたいと願っているのではないでしょうか?私たちは、「ないから」を理由に、黙って指をくわえて待っていたらよいのでしょうか?地域のニーズをよく知る私たちだからこそ、できることがあるのではないでしょうか?もちろん、ひとりだと心細いかもしれないけれど、みんなで力をあわせれば、なにかを提供したり、何かの役に立てたり、地域に不足しているなにかを補えるかもしれません。それこそ、私たちの計画相談の役割のひとつではないかと私は思っているのです。そのために、私は平成31年の早い段階で、公益性の高い法人を設立する予定です。みなさん、個人でもかまいませんので、絶対に協賛して協力してください(笑)一緒に地域でなにをするかを考えていきましょう!


「計画相談として、価値観や視野をひろげよう」


時々思うのですが、計画相談は私たちの生き方そのものではないかと思うことがあります。同時に、私たちの価値観が、いかに他とは違っていて、さらには、自分の価値観を押し付けることでは、なんら解決しないということも、身をもって感じています。私たちは、相手に価値観を押し付けるのではなく、その人の生き様にあわせていくことが求められていると思うのです。大した人生経験を送っているわけでもない私たちが、相手になにかを教えようとか、相手を変えようなんて考えることすら、おこがましいことだと思っています。私たちは、もっと広い世界をみながら、あらゆる価値観を認めて、受け止めて、自分なりに解釈しながら、一緒に寄り添っていくことが大切だと思います。だからこそ、私はもっと広い視野で、福祉をより広くみていきたいと願っているのです。私にとって、4回目のデンマーク訪問は、まさに日本ではない環境で、様々な考え方や価値観に触れる最高の機会だと捉えています。デンマークではなくても、知らない土地、知らない環境、知らない集まりなど、自分たちの持つ価値観という「物差し」を壊してくれるような環境に身をおくことが、私たちに自分たちの価値観が如何に意味をなさないのか、そういったことを忘れないためにも必要だと思います。「常に、当たり前に疑問を持つこと」が、相談支援専門員には必要なのかもしれません。今年は、デンマークではない場所に行こうかと思っています。ノルウェー?フィンランド?スウェーデン?さて、どこにしましょうか?


「計画相談として、夢を描く」


計画相談が、これから先の将来に渡って求められるようになるためには、計画相談という業務が、常に「福祉業界の花形」でありたいと思っています。様々な経験を重ねて、自分の経験や知識を生かせる仕事として、誰もがこの仕事を目指してくれるような、そんな事業でありたいと思うのです。力をもった福祉職員が目指してくれる、兼務などで済ませようと考える人を減らしていく努力をしていきたいのです。そのためには、計画相談を担う私たちひとりひとりが、自分たちの明るい将来や未来を語ることが重要だと思うのです。私がはじめた平成26年2月は、堂々と他の福祉事業所の管理者クラスが「計画相談はいらない」と言っては「計画相談不要論」を唱えていました。今では、そんな話はほとんど聞かなくなりましたが、当時は決して少なくなかったのです。私は、「計画相談不要論」を生み出した原因のひとつには、私たち「計画相談」に責任があると考えています。なぜなら、あまりにも当時は計画相談支援の趣旨を理解しないまま、適当な運用を行う事業所が圧倒的に多かったですし、適当に運用する事業所が、さらにそれをみて適当に運用する事業所を生み出している現状が目の前にあったからです。「忙しい」を理由に、簡単に済ませてしまう事業所もありましたし、私自身も、言い訳の理由に使っていたこともありました。加えて、地域にソーシャルワークを専門とする知識のある相談支援専門員が少ない状況もありました。ほとんどは、ソーシャルワークを知らない方々が、計画相談を担っていたのです。実際に自分たちの手で、自分たちの職域を潰してきた歴史もあるのです。だからこそ、すでに何年も計画相談に取り組んできた私たちのような相談支援専門員が、この仕事の目的や意義と、誇りとユーモアを伝えながら、将来の展開や如何に熱い思いをもって計画相談に取り組んでいくかを発信していく必要があると感じているのです。そして私個人的には、これからの計画相談を担う方々の支援は、利益などは考えずに、積極的に取り組んでいきたいと思っているのです。なぜなら、その結果が、那珂川市・春日市を含めたの地域福祉の向上につながっていくと信じているからです。 


「信念を持って計画相談に取り組もう。」


今年、私たちのこれまでの人生の大半を生きた平成が終わります。平成という名とは違い、まさに激動の時代でした。世界を見れば、テロ、戦争、国内は、災害。経済もバブルから崩壊へ。今後の世界経済は、全く予測不能な状態です。そして、政治の右傾化、さらには憲法改正を謳う勢力の拡大。私たちの仕事は、憲法25条が謳っている「生存権」に基づく仕事です。それが、政府の所属する政党の憲法草案からは消えている。そんなことに興味もない福祉職員が、福祉を担い、福祉を語っている。本当に福祉がどのようになるのか不透明です。幼児教育の無料化などは言われていますが、「生存権」が危ぶむなかでの幼児教育など意味をなしません。人とのつながり、人とのかかわり、私たちは繋いでいく。私たちは、憲法25条の下で、福祉を担うもののひとりとして、地域と社会とともに、正しく、愛をもって、愚直に、まっすぐに、そして、人との関わりに畏怖の念をもって、利用者さんと関わること、そして、基本的人権を共に守っていきて生きましょう。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。



計画相談支援室 ノーマ
寺川

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