第38回福岡筑紫地区計画相談支援研究会(通称:チキンの会)のご報告と計画相談10年を迎えて

 

今回のチキンの会は、「計画相談の未来を語る〜計画相談10年を迎えて〜」ということでお話させて頂きました。

今回のチキンの会をもって、令和5年度のすべての研修会を滞りなく終えるとともに、1月31日をもって、計画相談支援室ノーマとして6周年、そして、私自身の計画相談の相談支援専門員として10周年を迎えることとなりました。


同時に、今から20年前である28歳のときに精神科ソーシャルワーカーとして精神科医療の世界に飛び込み、10年前である38歳のときに計画相談の世界に飛び込み、令和6年5月には、福祉業界20年を迎えることになります。

まさかこんなに節目の年が重なることになるとは、私自身も予想しませんでしたし、これまでを振り返ると、業務を通じたたくさんの方々の関わりや様々な経験が、私を育てて頂いたのだと思うと、関わりを頂いたすべての方々にこころからの感謝を伝えたいと思います。

私は、福祉のサラブレットでもなければ、福祉の世界において何かしら抜き出たものがあるわけでもありません。

福祉系の大学を卒業したわけでもありませんし、もともと障がい福祉に興味があり、そこを目指してこの業界の門を叩いたわけではありません。

私にとっては安定的な仕事、あくまで「生きるため」「家族を養うため」に模索した結果、縁あってこの業界に踏み込んだだけであり、高尚な理念があったわけでもないのです。

しかし、私が飛び込んだ障がい福祉業界は、私にとっての天職だと思える程のめり込んだ業界でもあります。

それは決して楽な道ではありませんでしたが、返ってフラットな視点で業界の良い側面、または業界の暗部や綺麗事に至るまで様々な影の側面に触れることができ、さらにはいろんな経験を重ねることができたおかげで、自分にとって「生きる上で何が大切なのか」を身を持って感じることができるようになりました。

X(Twitter)仲間のぷらっとさん!千葉からお越し頂きご参加いただきました!

その結果、自分のアイデンティティを確立し、自らリスクを負い、自分に正直に向き合い選択することができる環境で業務に従事することができているのです。

私ほど自信を持って「公正中立」を謳い、「権利擁護」の立場を貫き、気持ちよく相談支援を行うことができる人も決して多くはないでしょう。

まさに、自分の想いに忠実に業務に従事することができているからこそ、自分にとっての天職の呼べるのではないでしょうか。

もちろん、私たちが業務を継続していくための利益を生み出すことは重要な役割です。

私たちもサービス等利用計画案やモニタリング報告書を作成して提出することで、代金を頂いているのです。

利益を得ることを避けることは、それこそ綺麗事であり、業務を継続できないことは、利用者やそのご家族、その地域に対しても大きなご迷惑をかけることにも繋がります。

私は稼ぐことには真摯に向き合っているつもりですし、その結果、相談支援という業務のなかで常に中立であり続けることができると思うのです。

この10年間で、たくさんの計画相談の相談支援専門員が生まれては消えていきました。

消えていく原因の多くは、法人の理念や考えが大きく影響を及ぼしていることは否めません。

法人が計画相談に対して理解を示してくれるのであれば、それはどんな支援よりも私たちにとっての助けになるのです。

しかし計画相談に対しては、多くの非営利法人が真っ先に撤退し、営利法人がその穴を埋めてきました。

自事業所の契約者を中心に担当するように相談支援専門員に強いたり、自事業所に誘導するように求めるのは、非営利法人も営利法人も全く変わりません。

しかし、その中で私たちは、自事業所からの計画相談の受け入れは一切断ってきた「数少ない」計画相談支援事業所と言えます。

私たちが国から求められていることを本当に体現するためには、常に私たちの「哲学や理念」に正直に生きる選択が求められます。

その選択をするためには、自らが所属する法人とも「対峙」し、理解を求めていく必要があるでしょう。

同時に、自分たちの業務に妥協をしない、自分を律することのできる「成熟した」大人でないと、本当の意味での相談支援はできないのかもしれません。

「お金にならないことはするな」と言われるのであれば、私たち相談支援専門員は、その必要性を訴えていく必要があり、だからこそ同時に、この業界で稼ぐことについても追求していく必要もあるのだと思います。

私は、相談支援専門員が経済的に潤うことで、この業界に多くの人たちが参入し、競争してはじめて、「理念や哲学ある相談支援事業所」が生まれると思っています。

だから、障がい福祉分野で経済的にも精神的にも余裕のある安定した生活を送ることができるように、率先して取り組みたいと思っているのです。

それは、縁あって「計画相談」の黎明期に先陣を切って計画相談に取り組んできた私たちの大切な役割であり、それこそが次の世代を引き継ぐ相談支援専門員たちに明るい未来を見せることになるのです。

「私も将来は計画相談を目指したいんです」「私もいつか、計画相談で独立したいんです」

そんなことばがいつまでも継続できるように、多くの計画相談の相談支援専門員がアイデンティティを確立しながら、自信を持って自分に正直に相談支援に打ち込める業界であり続けるために、この地区の計画相談は「量」「質」ともにレベルが高いと呼ばれる地域であり続けるために、次の10年もまた尽力していきたいと思っています。

私の次の10年は、この地域全体の福祉の発展・向上のために尽力するつもりです。

そのためにも人材育成から事業所の運営支援まで、幅広く求められるように成長していきたいと思っています。


この地域で10年に渡り計画相談に従事できたのも、3階ラボ時代から長年に渡り、契約して頂いた利用者並びにご家族様

同じ喜びと苦しみを味わってきた同業の仲間たち

いつもモニタリング等でご協力頂く支援事業所様

自治体の福祉課の皆様

そしていつも理解してくれる法人代表と職員のおかげです。

この場を借りて深くお礼申し上げます。












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