《研修報告》ノーマリゼーションセミナーIN九州に参加してきました



デンマークに過去4年毎年行っている私にとって、福岡で千葉先生のお話が聞けるチャンスがあるなんて幸せそのものでした。

制度、施策だけみても、日本とあまりに違うから!という意見をいう人がいますが、デンマークは、昔から日本からの影響を受けているということをご存知でしょうか?

北欧デザインが、なぜ日本人に今、受け入れられているのでしょうか?
そういった視点でデンマークをみても、面白いかもしれません。

小国デンマークができて、日本ができないことなんてひとつもないし、もっというならば、日本が福祉だけではなく経済も生産性もイノベーションも効率化も出生率もすべて完全にデンマークに負けていることをどのくらいの人が知っているんだろうか?

今回のお話のなかで、千葉さんのお話は、私も過去にたくさん聞かせてもらった内容そのものであり、真の「民主主義」の浸透こそが、幸福度につながることを改めて教えてくれました。

ましてや、福祉を担う私たちにとって、自由と平等、博愛(共生と連帯)を目指していく職業のはずです。しかし、その私たちですら、本来の民主主義を知らないのが現状です。

デンマークは、すべての国民にケースワーカーがいて、ライフサイクルにおける様々な問題や課題を解決に向けて導いてくれます。人生において、何もないってひとつもないですしね。黙ってたって年をとるのですから、高齢という課題がでてくるのは当たり前ですよね。

医療は無料であることばかり伝えられますが、歯科は70パーセントは自己負担です。こどもの間は無料なんですが、その間に予防を学び、治療を行うことで、大人になれば自己責任となるからです。

病気をしても、最初っから病院にはいけずに、全体の8割の問題はホームドクターが解決してくれます。いきなり総合病院にはいけないのです。そして、薬も最小限にしか出さないので、医療費の抑制になっているのですが、必要な手術などは、海外で手術を行っても、莫大なお金がかかっても、無料なのです。「必要なところに必要な分だけ」という効率性が求められるのは、高い税率に支えられている国民の税金だから!

精神科医療も例外ではありませんが、精神科医療については、治療そのものは、特段日本や世界とたいして変わりはありません。むしろ、フィンランドのオープンダイアログの方が目新しいし、その手法は、これまでの精神科医療を考えると、かなり目立つと思います。反面、精神科領域でも日本みたいに多剤投与であったり、長期入院を強制されにくい点は、同じ手法でも日本とは大きく違うかもしれません。

質問もありましたが、質問してもどこかニュアンスが伝わらなかったり、的外れな返答だったりする部分も多いのですが、それは、デンマークと日本の価値観があまりに違うからです。例えば、デンマークは、年金が人の平均収入程度までもらえます。なので、経済的にはそこまで苦しむことはありません。同じように障害を持つ方でも、年金から税金を払うので、納税者という意識があります。障害年金ではなく、早期年金と呼ばれるのも、障害があるから年金が必要なのではなくて、早くもらう必要があるからです。

偏見も少ないのは、家族も障害をもつ家族がいるからといって、人生を犠牲にする必要はないという側面も大きいです。18歳になれば、誰もが自立した人生を歩むことができます。障害を持つ方が自立のための費用は、国家が保証してるのですから、本人が望めば一人暮らしもできるのです。であれば、家族の負担はそこまで大きくありませんし、一家心中なんて持ってのほかです。

だから、親は負担になりませんね。そもそも、「親だから」という価値観もないのです。あくまで親も含めて「個」だから、親亡き後のことなんて聞いても、「親がいなくなれば、国家がみますよ」と当たり前のように言っちゃうんですよね(苦笑)

偏見も少ないのは、民主主義の浸透であり、教育や政治がそれを支えているから。

であるならば、日本はできないのではなくて、変えようとしていないだけということになります。

あ〜、まさに私たちに必要なのは、民主主義の根幹である「対話」ができるようになることです。日本人は、対話=議論だと勘違いしている。答えは必要ないのです。対話で相手のことを知り、受け止め、自分の意見を述べることです。相手を打ち負かすとかは、対話ではありません。そこに、他者を受け入れる意識はありません。

一緒に行った、同じ計画相談の松田さんも、対話の重要性を言っていました。

「本当の対話を理解しないと」



今回の私たちの結論です。そして、私たちは権利をもっと伝えていく必要がありますね。











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