第29回福岡県筑紫地区福祉倫理研究会(通称:対話の会)のご報告


今回の対話の会は「心地よい境界線とは」をテーマに対話を行いました。

今回このテーマを選択した理由として普段関わるご家族、利用者の中には今の生活や自分自身の価値観や自分の中で大事にしているものを守るために、またはこれ以上傷つかないようにと他者との交流やコミュニケーションを取る中で自分なりの距離感や境界線を引いていることに気づきました。



その中でも自分では気づいたり気づいていても不適切な関係性を継続していたり、他者との関係性において不快感を露わにし、不安や不満、悩みを抱えている方を目の前にした時に他者との間に心地よい境界線を引くにはどのようにしたら良いのだろうかと私自身が考えていたこともあり皆さんと共に考えていくテーマとさせていただきました。



私のグループでは普段から距離の近い職場や家族に関しては今までの生活や職場環境の中で互いに気心知れている関係性だからこそ関係性において感情が先に出てしまうこともあること、その関係性において感情的になってしまうのは「私のこと理解してくれるよね」というような期待が前提的に条件としてあるからこそ感情的な衝突が起きやすいよねという話も出ました。



また、距離感の間に境界線がありこの距離感と境界線は状況に応じて自分と相手の間で互いに押したり引いたりしていること、また、そいの間に互いに触れてはいけない「地雷」が隠れていたりするよねといろんな方向に話題は変わりながら結論のない対話が繰り返されました。こういうところが対話の良さだと改めて感じたところです。



他のグループでは利用者やご家族と関わる時に対人援助職として適切な距離感で接していくことの重要性が展開されていたようでした。

支援者として利用者と接する際に利用者をエンパワメントしていく視点を常に考えていくこと、支援者側が利用者を依存させないようにその支援者との距離感もOJT等を通して学んでいただくことも支援者として大事なのではないかという意見も出ていました。



また、あるグループでは「境界線ってなんだろう?」というところから対話が始まり、社会の中での境界線を考えていくとある狭い環境下の中では「規則、制限されたもの」という少しハードルが高いような気がするが、社会全体等の広い環境下の中では「文化」というハードルが低くなるような気がすると意見が出ていました。


自他と区別するための境界線。


今回の心地よい境界線を考えた時に自分のためにも相手にもその境界線はあって、互いにその境界線は自身を守るためのものであったり、自分の大事な価値観や思想、倫理観を守るためにあるのではないかと学ぶ機会となりました。



互いにそれが当たり前に認められる権利であり尊重されていけばそれは自ずと「心地よい境界線」になる?と思った対話の会でした。


今年も1年間対話の会にたくさんの方に参加いただいありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

みなさま良いお年をお迎えくださいね。














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