第37回福岡筑紫地区計画相談支援研究会(通称:チキンの会)のご報告


令和5年最後のチキンの会となりました。

(令和5年度最後のチキンの会は1月となります。)


今回は、私が旅行中に重なってしまったため、急遽、12月に入ってからのチキンの会になってしまったこと、深くお詫び申し上げます。

また、今回のチキンの会は、相談支援従事者現任者研修2日目終了後に、みなさん駆けつけてくれた方も多くいました。

忙しくもあり、お疲れのところお越し頂いたみなさん、ありがとうございます。



前回のかたり場で、谷本さんからお話頂いた「スーパービジョン」でしたが、私もノルウェーのベルゲンから、オンラインで最後まで参加させていただきました。

その中で、私がそうであったように、「スーパービジョン」について、どれだけの人が腑に落ちて聞くことができただろうか?という不安を感じることになりました。

(別に谷本さんのお話がダメだということではなく)おそらく、スーパービジョンの説明は何度も聞いている人も多い中で、それでもスーパービジョンが何なのかをわかっていない人が多いのではないかと感じていたのです。



なぜなら、主任相談支援専門員の私ですら、福岡県の登録講師でありながら、私たちファシリテーターにとっての身近な存在であるサンクスラボの石丸さんに、恥を忍んで繰り返し尋ねながら(実際には私自身をスーパービジョンしてもらうなかで)、ようやく自分のことばで「スーパービジョン」を落とし込むことができたからです。

それができたのは、ほんの数ヶ月前であり、私ですらそういった状況でもあるなかで、みなさんにとってスーパービジョンが「どのように写って」「どのように解釈しているのか」という点で不安に感じることになったのです。


講義の中でもお話しましたが、スーパービジョンは、皆さんにとって実は身近な存在であり、新人であれ、ベテランであれ、スーパービジョンを受けていないとここまで皆さんが成長することはなかったのです。

しかし、そう言われてもピンとこないのがスーパービジョンだと思いませんか?



私もみなさんと同様にピンと来なかったのですが、私自身がスーパービジョンを受けることで気がついたのは、「私自身がここまでスーパービジョンを実感できずにいたのはなぜか?」ということでした。


まずはじめに、私にとって「実感すること」は、言語化することのひとつの大きな基準であること、すなわち、実感できないことを言語化することは、私にとって大きな困難であることに気付かされたのです。

すなわち「実感」「確信」が、私にとってのひとつの大きなテーマであるということへの気づき。

そして、黎明期の最初から計画相談を行ってきた私にとっては、(当然、私以上の計画相談を行ってきた相談支援専門員に出会うこともないわけで)計画相談の相談支援専門員としてのスーパービジョンを受けたことがあるはずもなく、同時に、「スーパービジョンを行う」という自覚をもって、同僚や後輩、別の法人の相談支援専門員の相談を受けてこなかったという事実を再認識したのです。

この結果、私自身が、スーパービジョンを「得体のしれないもの」として認識してしまい、苦手意識や拒否反応として捉え、お恥ずかしいことにバイザーに攻撃的に返してしまうという始末に負えないことをしていた可能性があるのです。

・・・いや、恥ずかしいにも程があるw



今、この時期にきて、なぜ「スーパービジョン」がいわれるようになったのかと言えば、単純に計画相談が始まって10年を超えてきたことに加えて、基幹相談支援、委託相談支援、計画相談支援の機能分化、役割分化が進んだことで、地域の相談支援専門員の人材育成の機運が高まったことが言えると思います。

私自身も那珂川市の推薦を受けて主任相談支援専門員となり、主任相談支援専門員になるとううことは、福岡県の人材育成事業に登録し、県としてその役割を果たす意味があるわけて、よく言う加算を取るために主任になったとするならば、その役割の大きさに恐れ慄くことになるのだと思います。(いや、それくらいの思いがない人が主任になるべきではないのかもしれません。)

おかげで私は、「人材育成」として福岡県が主催する「相談支援従事者初任者研修」「相談支援従事者現任者研修」「サービス管理責任者/児童発達支援管理責任者更新研修」のファシリテーターの役も担っており、実際には、計画相談を行う時間がどんどんと減少しています。



県の人材育成に関わるにあたり、私自身がスーパービジョンについて語れないこと自体が問題だと感じて、今や、スーパービジョンのことを考えない日はないくらいに、私自身は考えているのです。

わからないことを少しでもわかってもらうということは、「ゼロからイチ」にすることであり、最初か肝心といわれるように、大きな責任を感じて、今回のチキンの会に臨んでいるのです。

そういう意味では、今回の参加者は、「てらにぃがスーパーバイズを語るってよ!」というふざけたテーマをあえて掲げた意味をご理解いただけたのではないかと思うのです。


今回のミッションは、「スーパービジョン」の心理的ハードルを下げること。

すなわち、「スーパービジョン」と聞いてみなさんが「得体のしれないもの」「つい構えてしまうもの」といったことをなくし、無意識的心理的抵抗感を下げることが目的です。

本当の意味で、「スーパービジョン」を学んでいる人たちからすれば、そんな簡単なものではないと言われることも覚悟して、研修を行っていることはご了承ください。



私があげた「スーパービジョン」のキーワード。

それは、スーパービジョンを行うという「自覚」

そして「気づき」と「パラレルプロセス」


「気づきを与える」

単にバイザーが答えを教える・伝えるではなく「バイジー本人に語ってもらう」


「パラレルプロセス」

バイザーのバイジーに対する表出を意識する。

バイザーがバイジーを、バイジーがクライエントといった立場を入れ替えてロールプレイを行い、その上で考える。


その詳細については、是非、BANDのなかにある動画をご覧ください。

参加していただいた方の多くが、腑に落ちたと言ってもらえているようです。



「腑に落ちる感」こそ、これまで苦手意識を持っていたスーパーバイスが「自分にとっての大切なものであること」への「気づき」であり、これまでも、そういったスーパーバイズを受けてきたという「実感」につながったのであれば、今回の私の講義ですら、そういった感覚を覚えたみなさんにとってのスーパーバイズになっているのです。

それは、教育的機能ともいえるでしょう。


それは、私が石丸さんを通じて感じた感覚であり、石丸さんが私に対して行った丁寧な対応のおかげで、みなさんにも表出を意識してお伝えすることができたのであれば、それこそパラレルプロセスになるのです。


みなさんにとって、スーパーバイスのハードルが少しでも下がっていればいいなと思います。



さて、みなさんにご参加いただいている「チキンの会」をはじめとする研修会は、ここにきていろんなところで取りあげられるようになりました。

https://note.com/fukushilabo2022/n/n25079c56ec45

有料動画ではありますが、お話しているのはチキンの会でおなじみのあのふたりですw


他にも

令和5年度 九州地区障がい者相談支援事業合同研修会 長崎大会

https://nsk2009.org/?p=1451

にて開催される「SHOUDANグランプリ2023」において、福岡県代表のひとりとして「チキンの会」が挙げられることになりました。



別に取り上げられることを目的としてはじめたものではありませんが、私たちの取り組みが、いろんな地域の相談支援専門員の救いになっているといった評価を得られているのであれば、これまでやってきた甲斐があると感じます。

それも、ご参加いただくみなさんのおかげです。

本当にありがとうございます。


これからもみなさんに寄り添った気軽にお越しいただける場所として継続して取り組んでいきたいと思います。

是非、お気軽にお越しください。









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