この地区から見る「計画相談の現実と未来」を語る①
驚くことに、今年に入ってから、これまで継続していたノーマがある那珂川市・春日市・大野城市からの新規の依頼がパタリを止みました。
3月〜4月にかけては多少の新たな利用希望者さんもいたものの、ご依頼頂くほぼすべて方々のお住まいは、事業所のある那珂川市であり、これまで数多くの依頼を受け続けてきた隣接する春日市や大野城市からのご依頼は全くなくなったのです。
ちょうどその頃、実績としては申し分ない相談支援専門員である松田さんがノーマに加入したばかりということもあり、利用者さんの受け入れる担当範囲を大野城市まで拡大した矢先のことでした。
現在、松田さんの利用者さんの受け入れは、まだまだ余裕があるものの、まったくもって新規の利用希望者がないこともあり、手持ち無沙汰を感じている状況が続いている松田さんでした(笑)
このまま何ヶ月もこの状態が続くのかと思うと、さすがの松田さんも、おそらく気が気ではないと思います。
誰か助けてあげてください(笑)
では、なぜ、この地区が近隣市からこのような計画相談の依頼がない状況になったのかという原因ですが、その答えは一目瞭然です。
それは、この地区の異常なまでの計画相談支援事業所の増加と、廃業率の低下です。
もはや、近隣のそれぞれの市には、充実した数の計画相談支援事業所があり、そこに所属する何人もの相談支援専門員がいるということです。
これまで、私たちの地域は5市をひとつとして「筑紫地区」と呼ばれ、そこにあるすべての計画相談支援事業所が一覧になって記載されていました。
サービス利用を希望するご本人やご家族は、お住まいの住所地にある役所の福祉課にサービスの利用申請を行い、その際にこの計画相談支援事業所の一覧をもらい、その中から計画相談支援事業所を選んで連絡をして、契約を進めていくことになるのです。
これまでは、例えば、春日市にお住まいの方の多くは、行政に渡された計画相談支援事業所の一覧をみて、まず春日市にある計画相談支援事業所に電話をしていくと思います。
しかし、これまでであれば、そこの書かれてあるすべての事業所に断られて、近隣にある大野城市や那珂川市にある計画相談支援事業所に連絡をするということが多かったのです。
なぜなら、その市にある計画相談支援事業所だけでは、すべての利用者のサービス等利用計画の作成を受け入れるだけの数が足りなかった時代が長く続いていたためであり、他の市にある計画相談支援事業所を求めて、当然のように近隣の市に電話をしていたことも多くあったのです。
ノーマもかつては、那珂川市だけではなく、春日市や大野城市からも数多くのご依頼があったのです。
しかし、最近の傾向としては、計画相談支援事業所または相談支援専門員が、その地域に増えすぎたこともあり、もはやお住まいの市にある計画相談支援事業所だけで、利用希望は賄える状況になったと言えると思います。
他の地域では、まだまだ都心も郊外も計画相談が足りなくて困っていると聞きます。
そのため、さまざまな地域から計画相談の依頼が入り、断らざるを得ない状況が続いているとのことですが、この地区においては、特に那珂川市、春日市、大野城市は、もはや計画相談は選べる時代に入ったと言っても過言ではないのです。
電話が鳴り続けた頃が懐かしい・・・(苦笑)
これらのことにより、これまで広域を担当範囲として取り組んできた計画相談支援事業所は、徐々に苦しい立場におかれるようになると予測します。
なぜなら、すべてにおいて中途半端になってしまいかねないからです。
行政からの紹介もまた、おそらく自分の事業所がある住所地からしか、紹介がなくなってくる時代が、みなさんの地域でもこれから先、必ずやってくるからです。
特に、隣の市は10万を超える人口がいるなかで、私の事業所がある市は、人口5万人程度しかいませんので、利用者の数も当然限られてきます。
そのパイを周辺も含めて地域にある計画相談支援事業所が、取り合っていくことになるのですから、この地区で計画相談を新規で立ち上げるのは至難の業かも。
例えていうならば、雛鳥のように、母鳥という行政からくる餌を口を開けて待っていても、生き残る上で必要な餌になかなか辿りつけず、いつまでも満足(安定した事業運営が)できるまでには至らない状況であると、本当に肌で感じるようになったのです。(嫌な表現に聞こえるかもしれませんが何卒ご容赦ください)
これまでは、計画相談支援事業所に営業活動で来られる障害福祉サービス事業所さんも多かったのですが、他の事業所と同様に、これからこの地区では、障害福祉サービス事業所等に私たち計画相談が出向いて、新規の利用者のご紹介をお願いする時代になったのです。
これは、全国的にみても驚くべき状況とも言え、未だ計画相談どころか、セルフプラン(この地区では、セルフプランはほぼ禁止されています)のままの方も多いとききます。
しかし、この地区では、他よりも先んじて、すでにたくさんの計画相談支援事業所がある地域になったのです。
その原因をつくったもの、実は私たち計画相談支援事業所でもあります。
私たちは、改めて利用者やそのご家族、各支援事業所に対して、営業活動を行うことを始めました。
そして、今後は、担当地区の範囲が結果的に狭くなっていくのではないかと予想しています。
要は、私どもノーマは、那珂川市の方のための計画相談支援事業所になっていく傾向が益々強くなると思うのです。
それは、私としては理想でもある「地域密着型の計画相談支援事業所」の実現に向けていくことができます。
そして、いよいよNOMA(ノーマ)の設立趣旨である「地域で最高品質のサービスを提供する事業所」に向けて、邁進していくことが望まれるのです。
また、利用者やそのご家族にとっては、いよいよ利用者に合った計画相談を選べることにつながり、これまであきらめたり、我慢していた方にとっては、他の事業所の計画相談を選べる時代に突入したのです。
それは、私たちにとっての危機感につながり、結果的に私たち計画相談支援事業所の質を向上することにもつながるでしょうし、利用者さんやそのご家族にとっては、本当の意味で信頼できる計画相談支援事業所につながることも可能となるでしょう。
全国に先駆けて「競争」にさらされる地域となった私たちの地域ですが、いよいよ私たちの力を試す時だとワクワクしています。
まさに「実力の差を見せる時」なのかもしれません!
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