事務員さんとのお別れ。

右が退職する事務員「新道」、左が新しい事務員「柴山」です

事業運営を行う以上、出会いと別れはつきものです。

もちろん、これまでも多くのスタッフを見送ってきたことはありますが、今日の職員の退職は、おそらく、これまでで一番、私にとって堪えた別れでした。


私が計画相談を始めて10年目を迎える今、ここまでひとつの事業を継続して取り組むことができたのは、陰で私の業務を強力にサポートしてくれた「事務員さん」の存在でした。

ノーマにおける「スーパー事務員」の存在を、この地区で知らしめてくれたのも、まさに今日、退職することになった事務員さんであり、ひとり相談支援専門員の次に採用するのは「事務員」であるという、この地区における計画相談のスタンダードをつくった、まさにきかっけの事務員さんでもあります。

私が事務所にいなくても、事務員さんが代わりに話を聞いてくれたり、むさ苦しい男ばかりの職場に、唯一の女性として電話や来客対応を行なってくれました。

いつしか、私がいなくても、「事務員さんがいるから伺います」と言って、ノーマに来所される来客者もしばしば。


「ノーマの顔」としての大きな役割を担ってくれていました。


送別会終了後の最後の最後まで、引き継ぎをしてくれました。


また、私たちが所属する「株式会社五つ星工房」にとっても、本当に大きな存在であり、すべての請求業務を一手に受けてくれることで、現場は、支援のみに徹することができたもの、まさに、事務員さんのおかげでした。

いつ会っても変わらないおだやかな性格で、いつしか子育てのこと、こどもの将来のこと、親の介護のことなど、気軽に相談できる方でもありました。

ノーマのみならず、私や代表にとって、こころから信頼できる職員のひとりであり、何かある度に愚痴のような話を笑顔で聞いてくれるやさしい存在でした。


いつしか、業務のみならず、いろんなことを依存していたんだなと、いなくなった今、改めて思います。


グループラインから退会する前に、最後のメッセージを残してくれたのですが、その中で、私に向けたメッセージは以下のような内容でした。


『今日で最後となりましたが、約6年間長かったようで、あっという間でした。本当にお世話になりました。

寺川さん、3階ラボからノーマに、引き続き私を雇って下さり、ありがとうございました。まだ小さい子供や高齢の両親を持つ私に、常に働きやすい環境を考えて、与えてくださった事、決して忘れません。本当に感謝しかございません。』


いや、私の方が感謝でいっぱいです。

小さいこどもの子育てをしている方のなかには、いつも事務所にいない私に代わって、事務所を守ってくれて、こんなにひたむきに、まっすぐに、面倒な業務も嫌ごとひとついわず最後まで取り組んでくれて、忘れっぽい私のためにいつも机の上に書類の準備をしてくれて、何度も同じことを聞いていても、嫌な顔せずに笑顔で対応してくれて。

そんなやさしさに溢れ、能力の高い人が子育て世代に埋もれていることを、私はあなたを通じて知ることができました。


並んで撮った写真は、きっとこれだけなんだろうなぁ。それくらい、別れが来るとは思ってなかったんですw

AIが普及すると、事務作業はなくなると言われている昨今ですが、私は、細やかで、優しくて、事務所の雰囲気が暖かくなるような、そんなあなただからこそ、きっとまたあなたを雇用するでしょう。


今回、どうしても退職しなけばならない事情を知るからこそ、そして、それが近い将来、私自身にも降りかかることだからこそ、今は、お別れしなければならないことは重々理解できます。

そして、それもいつかはおわりがくるということも。

また、そのときに最初に私のところに相談に来てもらいたいなと思っています。

わずか6ヶ月程度の付き合いであった松田さんですら、「できれば、また、ノーマで再開したい」と話しています。


だから、お別れのあいさつはしないことにしました。

「きっと、また会いましょう」



そして、その事務員さんの最大の置き土産が、2代目の「スーパー事務員」です。

まだ、スタートしたばかりなのに、すでに多くのことを吸収して取り組んでくれています。

そして、退職する事務員さん同様に、まさに今、子育て真っ只中の若い事務員さんです。

きっと、お子様の急な発熱などで、急にお休みすることになると思いますが、そういったことも含めて、私たちは全力で受けとめていきたいと思っています。


ノーマは、子育て世代の就労に引き続き取り組んでいきます。


新しい事務員さんにも決して焦ることなく、一つずつ業務に取り組んでもらいます。

きっと、初めてのことばかりですから、間違いもするでしょうし、ミスもするでしょう。

もしかしたら周囲にもご迷惑をおかけすることもあるかもしれません。

それでも私は、一向に構わないと思っています。


誰しも、最初からなんでもできるなんてありません。

ミスもさせない、教える機会もない中で、完全にできることなんで何一つありません。


退職する事務員さんがそうであったように、また、ゆっくりと時間をかけて私たちの想いを伝えていけたらと思います。


もし、皆様がこの新しい事務員さんと接する機会があった場合は、暖かく見守ってもらえたらありがたいです。

きっと、とても楽しくて、周囲を笑顔にしてくれる存在です。



最後に、いち事業所の、いち事務員の退職のために、最後、たくさんの方々にノーマにお越し頂きました。

ご本人に代わってこころからお礼申し上げます。

本当に愛された事務員だったんだなと、管理者である私もとてもうれしく思っています。


私がいろんなところで「スーパー事務員」と伝えてしまったが故に、この地区では有名な方にさせてしまった感はありますが、利用者さんやそのご家族のことで、一緒に笑い、一緒に考え、そして一緒に悲しみ、涙した仲です。

私の不甲斐なさで、嫌な思いをさせた方でもあります。

本当にご迷惑をかけたのは、私なのかもしれません。


だからこそ、また再開して、大きくなったノーマで、再び苦楽をともにできたらいいなと、心から思っています。



引き続き、計画相談支援室ノーマ 寺川と松田、そして新しい事務員である柴山をどうぞよろしくお願いいたします。

送別会は、就労継続支援A型事業所「リタの農園」さんで日中に行いました。予約などに無理なお願いを快く引き受けて頂きありがとうございました!


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