第26回福岡筑紫地区福祉倫理研究会(通称:対話の会)のご報告
毎回、対話の会は月末に開催することが多く、皆さんお忙しい中参加していただけているのですが今回もたくさんの方に来場いただきました。いつもこの会が継続できているのも参加していただける皆様のおかげだと思っております。この場を借りてお礼申し上げます。
さて、今回のテーマは「家族支援」について。
私たちは担当するその利用児童や利用者だけではなく、家族全体を捉えて支援をしなければならないと思われるようなケースに直面することがあります。そのケースの中で家族全体が機能不全に陥っている、母子家庭や父子家庭、ヤングケアラーとして介護や家事を担っている、親子間、夫婦間、パートナー間で共依存関係になっている、利用児童の親も何かしらの障がいや病気を発症し生活そのものが機能しないなど…。
支援者としてそのあらゆるケースに遭遇した時に「このままでは良くない状態」、「この状態を放置しておくともっと悪化した状態になる」と想像することはできるのですが、どのようなタイミングで話を切り出し介入したら良いのか、一人で対応すべき案件か、共に支援してくれる関係機関や新しい資源はないか、利用者自身で解決できそうなことはないか、どこまでであればご自身でできそうかなど良くない状況であるからこそ私たちも非常に悩まされ葛藤し多くのエネルギーを費やしているのだとも思います。
私たちのグループでもDVをする夫と精神疾患があり一人暮らしをしている娘の間で虐待を受けている母親や娘が利用する自立訓練(生活訓練)に母親から生活や精神的な相談の電話があり、自法人で運営している自助グループへ繋いだケース、家族からの依頼があり毎月、小学校で開催される利用児童の会議に同席を依頼されることに対してどのように対応したら良いかと苦悩しているケース、多額な借金を抱えながらもパートナーへ依存し分離することができず、パートナーと生活を継続しながらも借金を就労継続支援A型の収入で返済していきたいと考えている女性に対してどのようなアプローチが良いかと悩まれているケース、家族に対して支援機関に対してどのような状態の時にどう対応しているかを具体的に事例をあげてくれた相談支援専門員の方もいました。
少しずつ対話の会の素晴らしさが浸透してきたような気がします!
別のグループの感想では15cmの隙間から利用者が外出した話?…(笑)
えっ?家族支援は?(笑)
もう一つのグループでは訪問看護の看護師さんや相談支援専門員さんがグループ内にいたこともあり「アウトリーチ」というキーワードで話が展開されたり、直接支援する利用者のご家族から理解が得られなかったり、嫉妬の対象になったりするケースがあるという報告もありました。
今回の会を通して私自身も改めて利用者やご家族のエンパワメントの視点は大事にしたいと思いましたし、家族やパートナー間でできることはないかや増やせることはないかやどのような状態になった時に支援や介助、介入が必要かを事前に家族と決めておく必要性を感じ取ることができました。また、関係性が取れていない状況で介入や助言をしても「余計なお世話」や「支援者に対しての依存」を生み出すきっかけを支援者側から作ることにもなりかねないと思いました。
ただし、構成されている家族間の中での関係性ややりとりの中でどのような関係が構築し成立しているのか、その関係性の中で互いが双方のことをどのように感じ、意味付け家族として構成しているのかは普段のアセスメントや対話、表情等でより細かく見ていこうと考えるきっかけとなりました。
個人的には「権利擁護」に関してもう一度深く学びたいと思いましたし、児童通所施設等で家庭連携加算をとっている事例などがあれば聞いてみたかったなぁと帰りの新幹線の中で考えていた次第でした。
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