福岡の中心で計画相談の「質」を叫ぶ

新しい計画相談支援事業所が増えていく反面、これを機にやめていく計画相談支援事業所も少なからずいます。どちらにしても計画相談支援事業所の新陳代謝は、「計画相談の質」を維持する上でも必要だといえます。ただし、ひとつ気になることがあります。それは、新しい計画相談が増える中で、これまでの福岡における計画相談の歴史を知らずに、これまでの計画相談支援事業所に対して否定的な発言をする、新しい計画相談支援事業所の相談支援専門員です。計画相談支援事業所の歴史は、一番長くても3年間の移行期間であった平成24年ですから67年です。ましてや、福岡市及びその近郊は、平成26年後半から突如、スタートしました。当時の福岡は、計画相談導入率全国最下位をキープ。厚生労働省が平成274月以降、猶予期間は設けないと宣言して、慌てて導入を進めたという経緯があります。私は、平成262月から計画相談を開始し、その渦中にいましたが、その当時の計画相談がいかに大変だったかを知っているなかのひとりです。みなさんは、そういった福岡の計画相談の歴史をご存知でしょうか?

今でこそ、計画相談の「質」を叫ぶ方々がいますが、当時の計画相談は、利用者にとって「導入できるか?導入できないか?」が問題だったわけです。「質」以上に、「量」が求められた時代。ひとりの計画相談が200名以上を担当するなんて当たり前の時代があったのです。(私だって、ひとり220名を受け入れていたのですから。)今でこそ、計画相談支援事業所の数が増えましたが、その時代に計画相談を行っていた人を、利用者さんから言われならともかく、同じ計画相談支援事業所の相談支援専門員が安易に否定的な発言をするのは、私は許せません。なぜなら、その時代をつくりあげてきた計画相談があったから、みなさんは、今、計画相談を始めることができたわけです。今、始める方々は、計画相談を、「あなたのペースで」「あなたの考えるやり方で」「じっくりと」「ていねいに」取り組むことができるでしょうが、それは、それまで計画相談を、「後先考えずに」「必死に」提供して、「苦しみながら」「燃え尽きる」まで、それでも継続してきた相談支援専門員がいて、そのなかで、自分たちも最大限の効率化を図り、全ての契約者に「公正に」「中立に」計画相談支援事業所がサービスを提供してきた、その歴史の上に、みなさんが今の計画相談がみなさんのペースでできていることをもっと理解するべきです。「もっと丁寧に」「教育機関や行政を巻き込んで」と利用者が言うならまだしも、相談支援専門員が一緒になって言うのはおかしい。当時は、あの、どこにも行き場のない利用者さんたちの悲痛な声に応えられない相談員もまた、ニーズに答えることができていない相談支援専門員だったのですから。一生懸命やってきた当時の相談支援専門員たちが、「このままではいけない」と思わずに受け入れてきたとでも思ってるのでしょうか?

そんな以前の修羅場をくぐり抜けてきた計画相談の相談支援専門員だからこそ、計画相談の立場から「自浄努力の必要性」、すなわち「これまでのような計画相談ではいけない」「計画相談の質をあげないといけない」「計画相談と基幹相談の役割」を叫ぶことができると思うのです。その「権利」があると思うのです。

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