計画相談は計画相談のままで
https://youtu.be/M00rkvXtC8w
上記の動画の45:12の部分を聞いて欲しいと思います。日本社会福祉士会の主任相談支援専門員研修で行われていた、厚生労働省の大平専門官のことば。私も時折、身近に「緊急対応で」といって、その日、モニタリング予約していた利用者さんにキャンセル・延期を強要する計画相談の相談支援専門員を見かけます。そのことに対して、キャンセルした利用者に「仕方なかった。ごめんなさいね。」と伝えてしまう相談支援専門員は、果たしてどうなのか?と、個人的には思うのですが、皆さんはどうお考えでしょうか?前述したように、私は「公正中立」「権利擁護」を何よりも運営指針として掲げていますが、緊急対応を理由に、以前から予約していた方をキャンセルすることが、果たして「公正中立」と呼べるのかと私自身は葛藤するのです。例えば、モニタリング会議直前で、利用者、家族、事業所の職員さんが集まった場所に向かっている最中に、「今から死にます。これまでありがとうございました。」と他の利用者があなたにメールを送ってきたら、あなたならどう考えて行動しますか?私はそんな場面になんども出くわしてきました。私が、「基幹相談」「委託相談」の存在を意識するのは、まさにそういったときです。同時に、計画相談は、計画相談以上の役割を担うことは、利用者及び家族、そして事業所の職員に対してだけではなく、他の計画相談の相談支援専門員にも影響を及ぼすのです。それを、「私は選ばれている」「必要とされている」と考えるのは、計画相談として懸命に業務を遂行している他の相談支援専門員に対して甚だ迷惑ですし、そもそも、選ばれているのか、依存しているのかどうかの判断も難しいところではないでしょうか。すくなくとも私は、「何でも屋」ではないという自覚を持っています。そして、万が一、私が計画相談として「(緊急性の高い事象に対する対応でも)何でもする」と思うのであれば、思うこと自体に、私自身が「違和感」を感じることがない状況であれば、計画相談の相談支援専門員として危機的状況にあるのではないかと思うのです。それは、業務として前のめり、行き過ぎであり、業務への継続性、公平性、中立性、普遍性を求める以上、今一度、自分の業務を再確認することが必要なときだと思います。だからこそ、ひとり相談支援事業所の方は、身近にバイザーを置くことをお勧めします。
そもそも、相談支援専門員だけではなく、支援員として勤務する上でも、「私が選ばれている」「私がそこにいなければ」「私しか関わる人がいない」という思いをもったときは、自分の関わり方を見直すべきです。その時点で、おそらく周囲のアドバイスや指摘が、あなたの耳には入ってこなくなっていると思います。どうしてそうであってはならないのか?ということを、ここで述べることはしませんが、「計画相談の業務範囲」以上に、支援者としての「エンパワメントの視点」「最終的なご本人並びにご家族のあり方」を考えていく上でも、大きな間違いだとしか言いようがありません。この点については、感情論ではなくて、学術的・技術的なことであり、相談支援の基礎の部分だと考えます。私自身も、地域の相談支援に関わり始めたときに、上司から数多く教わった中でも、身をもって体験したものです。最終的には、利用者が増える、増えないに関わらず、最後まで自分のスタンスを変えずに関わり続けることが、「公正中立」そして「権利擁護」につながると考えるからです。利用者と相談員が、お互いの信頼を失わないための大切な「視点」です。その根拠となることが、「計画相談とは何か?」「何のための計画相談か?」ということです。このことは、長い間、相談支援の現場にいた私にとって、かなりの時間を割いてきた大いなる悩みであり、葛藤でした。相談支援専門員として関わりを持った以上、私たちが燃え尽きない(バーンアウトしない)ように、業務の限界と役割の優先順位を考えながら、計画相談として利用者と関わること、あわせて、ソーシャルワーカーとして適切につなぐことが何よりも重要だと思います。私は、私の現在の状況をベースに、自分の限界も理解しながら対応するようにしています。私だけではなく、私以外の人にもできることを利用者と約束する。誰かを犠牲にする介入はしない。犠牲になる人が出そうなときは、どちらかを、安心して任せられる人につなぐようにする。そうやって、私自身は、私が誰にも負担をかけずに支援できるまでに時間が必要とする、例えば「医療的ケアが必要な方」「身体障害の方」については、専門的な知識及び技術を持つ支援者や相談員に繋ぐようにしていますし、そういった方々とのつがなりを普段から意識するようにしています。
私の役割は、私の持つ計画相談としての経験や知識、技術、つながりを最大限に発揮できるようにするための体制づくりを優先させて、担当するすべての方々の支援に望んでいます。私たちは、計画相談として、しっかりと計画相談の役割を担っていくと同時に、そういったつながりをベースに、最後は、地域の「スーパー計画相談支援事業所化」を目指していきたいと思います。あくまで私は、周囲と協力して地域のあらゆる分野の計画相談支援体制を作ることを目標としており、少なくとも私が運営している「計画相談支援室 ノーマ」は、基幹相談支援事業所になる気は全くありません。計画相談支援事業所としての役割をこれからも追求していきたいと思います。
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