《福岡県久留米市/経済的虐待》成年後見制度を悪用、横領問題 対応後手、不正防げず 県社会福祉士会 [佐賀県]

成年後見制度を悪用、横領問題 対応後手、不正防げず 県社会福祉士会 [佐賀県]


 公益社団法人の県社会福祉士会(佐賀市)所属の30代男性社会福祉士による横領が発覚し、同会は26日に同市の事務所で記者会見を開いて陳謝した。男性が1年以上前から財産管理の報告が遅れがちだったため「心配していた」とし、昨年11月に本人と面談したが、不正が分かったのは今月中旬で、対応が後手になった感は否めない。
 記者会見には同会の鍋島恵美子会長や弁護士ら4人が出席。鍋島会長は「被害者、関係者、県民の皆様に心よりおわび申し上げる」と述べて頭を下げた。
 同会は全会員の約3分の1に当たる141人が、計377件の後見や保佐を担当。同会が研修や審査で資質を見極めた上で「ぱあとなあ会員」として任命し、活動を委任する。同会は年に一度、佐賀家裁に会員の活動を報告しなければならず、事前に訪問記録や収支をチェックしている。
 しかし、男性が書類の提出期限を守らず、連絡を取りにくい状況になったため担当を外そうと昨年11月に本人と面談し、今年3月末までに通帳と関係書類を返還するように求めたが、応じないままだった。
 男性は昨年11月~今年4月上旬、被後見人ら男女5人の銀行口座から複数回にわたり計2755万円を引き出していた。だが、年に一度の本格的な監査の“隙間”に不正が行われたため気付くのに遅れたという。男性は横領について「経営する事業の資金繰りが悪化したため補填(ほてん)に流用した」と話し、おおむね認めているという。
 同会は除名も含めて処分を検討し、被害額の回収に努める。再発防止策として被後見人らの日常的な経費以外の資産について、引き出しにくい定額・定期預金にすることを義務付けるという。鍋島会長は「大変なご迷惑を掛け、責任を持って対応したい。進展状況をあらためて報告する」と語った。
=2018/04/27付 西日本新聞朝刊=

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今度は、権利擁護義務が課せられている社会福祉士による犯罪がおきました。
成年後見制度は、ご本人の財産を守る、その方の人生を豊かにするための大切な役割を持っている仕事です。もちろん、大金を所持している契約者はいるはずです。その大金を目当てに接触してきたり、違法な契約を結ぼうとする人から、本人を守るために存在している重要な人です。財産管理は、今後、絶対に必要な仕事であり、権利擁護が義務付けられている社会福祉士は、その仕事としてまさに期待されている存在だったはずです。
それなのに、こういった事件を引き起こすのは、我々福祉職員に対する冒涜であり、裏切りです。
ちなみに、この社会福祉士は、福岡県久留米市の人であるとのこと。
もはや、私たちは人を信用することはできない世の中になったのでしょうか。
世も末です。本当に・・・。


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