魅せる支援を考える
特に、昨今の時代の流れや変化は著しく、もはや、「福祉のスタンダードをつくる」「新しい福祉」といった謳い文句は、リスクにしか感じなくなった今日この頃です。
特に、児童分野においては、いよいよ180度価値基準が変わってきている印象で、まだ、はっきりとしたことは決まっていないにしろ、これまでの経営方針を大幅に変更せざるをえない状況ということは、今の段階でもピリピリと肌で感じます。
児童発達支援や放課後等デイサービス、障害児相談支援事業を運営する私たちも、最近は、周辺の住人からの受け入れも良く、温かな視線をしばしば感じることもあります。
私たちも、普段から周囲からみられていることを意識して、笑顔やあいさつやふるまいを行うように、スタッフにも細かく注意を促しています。
当たり前のことですが、当法人においては「喫煙」についても業務中は禁止していますので、喫煙者にとっては大変かもしれませんが、こどもたちをお預かりして支援を行なっているという観点からも、危機意識(リスクマネジメント)を含めて、厳しく対応しています。
実際に計画相談をしていると、事業所に対して直接連絡があるのではなく、私たち相談支援専門員に「喫煙しながらこどもたちを連れて歩いている児童指導員を見た」といった家族からの苦情も寄せられています。
喫煙者からすれば、「何が悪い」といいたいかもしれませんが、そう感じた保護者や周辺住民からすれば、「あの事業所はやめた方が良い」という評価にしかならないことはいうまでもありません。
「知らぬは仏」とは良くいったものです。
権利擁護(アドボケイト)や虐待問題については、制度改正も影響しているせいもあるかもしれませんが、最近は特に、これまであまり関心を持ってこなかった一般の人たちからの厳しい視線を感じるようになりました。
とある自治体では、放課後等デイサービスがある周囲の住民から、自治体に「虐待通報」がしばしばあっているとのことでした。
内容としては、「あの事業所で、大声で地べたに座り込んで、大泣きしているこどもがいる。」「スタッフと思わしき男性が、こどもに対して大声で怒鳴っている」といった報告もあるようです。
当の本人たちは、おそらくパニックの対応や支援のつもりで行なっているのかもしれませんが、周囲からの目にどう映っているかまで、意識したことはあるのでしょうか?
そもそも、大声を出してこどもたちを従わせようとすることは、申し訳ないですが「くそダサイ」し、まじでカッコ悪い。
こういった声が出てくると、やはり、私たち専門職として働く私たちも、外からみられているという認識を持った方が良いと思います。
こういった声が出てくる大きな理由としては、おそらく、各小中学校においても、支援クラス、通級指導教室といった、支援の必要なこどもたちの存在を無視できない状況になってきたことを表しているようにも思います。
加えて、こども食堂に見るような「こどもの貧困」や、こどもが家族の面倒を見ている「ヤングケア問題」が、学校からの通信やPTAの広報誌を飾る時代になってきたことも、そのような支援を行なっている私たちに対する目となっているのだと思います。
ニュースでも、支援の必要なこどもの特集は、最近はトレンドのようにも感じます。
施設内で支援を行なっている立場であれば、周囲の目は気にならないかもしれませんが、送迎時や外出時、イベントで外に出ているときなどには、特に注意を払うべきだと思います。
学習支援やピアノ教室、サッカー教室、PC教室といったプログラム特化型の放課後等デイサービスに対して厳しい目を向けられるようになったのはなぜか?
支援を行う私たちも、今一度、考えておいた方が良いかもしれません。
世知辛いですが、世間の障がい福祉に対する目は、年々厳しくなっています。
私たちは、どのような支援を行うべきか?こどもたちを、社会においてどのように導くのか?そういった厳しい目を持って、ひたむきに支援を行なっていくべきだと思います。
私たちは、いち専門職として、周囲に「魅せる支援」を考えていくことも、これからは求められるのかもしれませんね。
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