【決定版】計画相談をはじめるために考えておきたい4つのこと
すべての計画相談を志す相談支援専門員に捧げます。
もし、あなたが計画相談の相談支援専門員になりたいと考えるなら、始める前に是非、考えてほしいことがあります。
- なぜ、あなたは計画相談をしたいと思ったのか?
- あなたは、計画相談を行うことで、何を得ようとしているのか?
- 「公正であること」「中立であること」への誓いができるか?
- 自分に厳しく、決して妥協しないことを自分に約束できるか?
しかも、通所者や入所者ではなく、最終的には100名になる方々を、一手に担当することになるということです。
しかも、最終的にいろんなことを考えて行き着く先は、『計画相談をやり続けることが、利用者の最大のニーズに応えること』ということを理解することだからです。
やり続けるためには、「技術論」でもなければ「専門性」も役にたちません。
あるとするならば、自分の甘い部分に対して、いかに「自分を律し続けることができるか?」「頑張っている自分を自分で労わることができる?」です。
利用者やそのご家族には、「自立」「自律」を謳うのに、私たち相談支援専門員が「自立」「自律」していないなんて、全くもって最悪だと思いませんか?
計画相談をはじめた法人は、「赤字」「黒字」に関わらず、その法人の名において責任を持つべきですし、事業所やそこで働く相談支援専門員も、周囲に惑わされずに、自分の信じた道を進むべきなのです。
これまで、安易に始めて、安易に辞めていき、ひどい人になると平気で利用者を路頭に迷わしてきました。
そんな相談支援専門員が、違う場所でまた計画相談を始めて、誰がその人を信用するでしょうか?
だから、始める前のみなさんに問いたいのです。
なぜ、あなたは計画相談をしたいと思ったのでしょうか?
「法人に縛られずに、自由に仕事ができるから」
確かに自由そうに見えますよね…でも、きっとそう思えるのは最初だけかもしれません。
自由を謳歌するには、あまりの責任の重さに心身ともに疲弊するのも時間の問題かもしれません。
常に私たちは、不安と焦りのなかで仕事をしています。
個人の事業所であれば、自分に何かあったときに、この100名あまりの利用者をどうすれば良いのか?と考えると、不安になります。
利用者に迷惑をかけるだけではなく、自分が食べていくためのことも考える必要がありますし、法人の信用問題にもなります。
数名の相談支援専門員がいるのであれば、きっと、「自分ががんばって、雇い入れた相談支援専門員を食べさせてあげないと」と、と考えるかもしれません。
私たち計画相談は、私自身だけの問題ではなく、最終的には、所属法人の信用にもつながる面が大きいのです。
「人のお役に立ちたい」「私のこれまでの経験を活かしたい」
崇高な理念をもつこと自体は、とても素晴らしいことだと思います。
しかし、人にお役に立ちたいという気持ち、私の経験を活かしたい気持ちは、時に、「相談支援専門員である私の気持ちを満足させたい」というあなた自身の承認欲求を孕んでいるかもしれません。
本来であれば、利用者のニーズや思いに寄り添うことが必要なのに、あなたの考える一般的な価値基準を支援という名の元に相手に押し付けてしまうかもしれません。
しかも、あなた自身でこのことに気が付かなければ、誰もそのことを指摘する人はいませんし、あなたが誰かに自分の支援に対して意見を求めないのであれば、最終的には、あなたは「はだかの王様」になっているかもしれません。
私自身は、すぐに課題ばかりに目が行ってしまいますし、思い通りにならないときにはイライラもします。
ですので、常に表情に出さないように自ら我慢を強い、決して私自身が「個」を出さないように意識しています。
なので、訪問の面談が終わると、極度の疲労感で何もしたくなるのが常ですし、本当にうまくできたのか、不安になってしまいます。
私自身が、計画相談の研修を主催して取り組むのは、自分自身の立ち位置を確認したいからでもあるのです。
あくまでふたつの例を挙げましたが、私は決して、計画相談になりたい気持ちを否定しているのではなく、自分の気持ちを大切にしながら、であるならば、絶対に周囲から評価される相談支援専門員を目指してほしいと思っているのです。
私の福祉人生の半分が、この計画相談支援業務の経験となりましたが、今の私にとって、計画相談以外の業務は、もはや興味はなく、制度上、継続が困難にならない限りは、福祉人生のすべてを捧げることになるかもしれません。
そこまで私が考えるまでに至ったのは、計画相談を通じて私なりにいろんなことを考えた結果でもあります。
特に、私がこの計画相談から得たものは、とても大きかったのだと思います。
あなたは、計画相談を通じて、何を得ようとしていますか?
「働きかたを自分で決める」「家族中心の働きかた」
計画相談の時間に束縛されない働きかたは、確かに子育て世代や年配の方にも適していると思います。
私自身も、この自由さは何事にも変え難いものです。
もちろん、私たちの業務は、時間で収入を頂くものではありませんので、実践に応じて収入も変化することが前提になるので、まさにみなさんの「生き方」「あり方」を考える必要があると思います。
まさに「ワーク ライフ バランス」を一番、考える必要がありますよね。
「トップに強く束縛されない」「自己管理できる」
これも、先ほどの内容と似ていますね。
私も、どこにいってもトップとぶつかってばかりでしたので、自分ひとりのときは、自由に業務を遂行できる計画相談は、私の働き方にとてもマッチしていました。(それもどうかと思いますが)
同時に、同僚や部下ができたときは、私は常にオープンであり続けましたし、本人が望まない管理は一切しませんでした。
それは、もともと私が管理を嫌がったからであり、自分が嫌なのに、同僚や部下には求めるなんてナンセンスだと思ったからです。
でも、もちろん管理したい気持ちがなかったわけではありませんので、日々、「我慢」と「葛藤」がありました。
その時に、「私は、管理者としての学びをまさに得ようとしている」と思ってやっていましたし、他の組織代表の人たちに会っては、よく話をしたものでした。
このように、私自身もまだまだ未熟であり、模索している最中なのです。
考え続けることの重要性がここにもあると感じています。
「公正であること」「中立であること」への誓いができますか?
もし、あなたが法人に所属しているなかで、計画相談を任されたのであれば、「公正であること」「中立であること」は、困難を極めるかもしれません。
なぜなら、法人が計画相談を始める背景には、自事業所に利用者を誘導することを目的としているところが多いからです。
でも、あなたは計画相談をやり始めた時に、きっとわかるはずです。
もし、1回でも誘導してしまったら、それ以降は、利用者を紹介する他の計画相談はいなくなるということ。
場合によっては、自分の事業所の利用者ばかりを担当することになり、同じ法人の計画相談を行うことは、結果的に中立を維持できなくなり、自事業所と利用者や保護者との間に生じたトラブルに、計画相談として巻き込まれることに気が付くかもしれません。
私がこうやって今でも地域で継続できているのは、私自身が法人役員であり、現場の相談支援専門員なので、その点については、同僚の相談支援専門員にも繰り返し伝えているからです。
私は、同法人が運営する事業所の管理者に、『計画相談は、私たちに依頼してはいけない』ということを伝えていますし、私たちも、ホームページや行政機関に「自事業所への誘導はしない」「同法人に関しては、計画相談も自ら担当しない』ということを記載し、公言し、徹底しているからです。(たまたま、契約した人が同法人が運営する事業所を利用する場合は、事前に上記の旨を伝えます)
だから、計画相談を持たない様々な事業所からも名指しで計画相談の紹介や依頼が来るようになります。
また、利用者さんが、私たちを評価していただき、ご紹介していただくこともあります。
反対に、その事業所を利用している計画相談を、私たちから別の計画相談に変えようとするところがたまに存在しますが、利用者自体が私や行政に報告したり、自らその事業所の利用をやめたりしてくれるようになります。
そこには、強固な信頼関係があり、大手だろうが歴史があろうがなかろうが、関係がないのです。
だから、計画相談を始める前に、あなた自身の手で所属法人に伝えるべきです。
「私たちは、計画相談をはじめる以上、公正中立であるべきですし、できないのであればしないほうが良い」と。
自分に厳しく、決して妥協しないことを自分に約束できますか?
結局のところ、最後は自分との戦いであることは忘れてはいけません。
何をどうするにも、自分と向き合い判断することが求められるからです。
その時々のあなたのこころやからだの状態もあるでしょうし、あなたの置かれている立場もあるかもしれません。
その時々で役割が変わりますし、求められることも違います。
「ちょっと今日は楽がしたい…」と思えば、きっと楽もできます。
書類をつくるときなんて、まさに可能になってしまいます。
疲れているときは、ついそういった考えが脳裏をよぎります。
しかし、いったん覚えた楽を元に戻すのは、大変な労力になることも忘れてはいけません。
その苦労を知っているからこそ、「今日だけは妥協しない」と自分に言い聞かせるのです。
「どうぜ、前回と変化はないから」と思って始めたモニタリングで、変化を感じることはありません。
逆に、「小さな変化を見逃さない」と思ってモニタリングをすれば、きっと様々なところに気づくことができるでしょう。
あなたが自分に妥協した瞬間から、魔王がそこにやってくるのです。
さいごに
私が計画相談をはじめるにあたって、参考になった本をご紹介して終わります。
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