【決定版】計画相談の効率化と質の担保を両立する書類作成及び記録の残し方②

たまにチートデイがないと、何事も継続しませんから〜


計画相談を行うすべての相談支援専門員に捧げます。



前回、①を作成したあとで、仲間の相談支援専門員と、食事をしながら話をしていた最中に、私の注文した並々に注がれていたコーラをぶちまけられるという事件が発生し、ズボンから下着までビショ濡れ、テンションがダダ下がりで帰宅した私です(笑)


前回は、サービス等利用計画案に書かれてある内容の記載について、「アセスメント・フォーマット」と絡めて説明してみたのですが、改めて簡単に説明するのは難しいなと思いました。

しかし、計画相談と書類作成は切っても切れない関係性であり、その内容でしか評価されないからこそ、「効率よく」かつ「必要十分な情報を盛り込む」一定のテクニックは必要なのだと思うのです。

書類作成や文章が苦手ということで、計画相談から離れる人も一定数いるなかで、私としては、『魅せる記録』のスキルがあっても良いのではないかと思うのです。
そして、書類作成や記録を書くことに、何時間もかけるべきではないですし、その時間があるのであれば、本来、多くの時間を割くべき、ご本人やご家族、事業所と向き合う時間にした方が、満足度も高く結果は良いはずなのです。

(もちろん、無駄な会議に時間をかけることも、全くもって意味はありませんが…)

しかし、そのようなことを教えてくれる相談支援専門員が身近にいないのも事実。

相談支援専門員によって差が生じるのであれば、「身近にいる実践を重ねている誰か」がきちんと教えてあげれば良いのでは?と思うのです。

だから、正直に言うと、私が教える必要はないとも思っていますので、全国の計画相談の相談支援専門員さん、誰か立ち上がってください。


長くなりましたが本題です。

さて、計画相談に取り組もうとしている人でも、実際に取り組んでいる人もご存知だと思うのですが、サービス等利用計画作成に至るまでに、私たち相談支援専門員としての流れは以下の通りです。

  1. 契約及びアセスメント
  2. サービス等利用計画(案)の作成
  3. サービス担当者会議の開催
  4. サービス等利用計画の作成


これらのうち、私たちは、どの記録を残すべきでしょうか?

実は、自治体の中には、訪問する日程調整を行なった内容から記録に記載するように指摘をする地域もあります。

私は、それに関してはあまり必要を感じないですが、できるだけテキストとして残すために、あえてLINEを使うようにしています。

余談でしたが、私が考える残すべき記録としては、①契約時の記録(契約したことを残す記録)、②アセスメント時&サービス等利用計画(案)作成時の記録(聞き取りの要約やその際のクライアントの状況や相談支援専門員としての見立てなど)、③サービス担当者会議の記録(担当者会議の参加者や確認事項)については、最低限、記録に残すようにしています。


しかし、その内容もまた基本的には「アセスメント」や「サービス等利用計画(案)」に記載した内容以上のものはないわけなので、前回、お話したとおり、書類の内容を記録に流用すれば良いだけだと考えています。

それは、決して楽をしているのではなく、「聞き取りをした以上の情報があるはずない」という私なりの観点から、コピペでも良いはずなのです。

同じような話を、改めて考えて書く意味を感じないのです。

ましてや、そこには、相談支援専門員一個人としての「見立て」まで書いています。

であるならば、それ以上、何を残せというのでしょうか?

そんなことをしていたら、何時間あっても書類は終わることはないでしょうし、そうやって時間がかかればかかるほど、計画案の提出が遅れて、受給者証の発行が遅れて、利用者さんの不利益になってしまうのです。


私は、ポリシーとして、『今日やった業務はすべて今日中に終わらせる』ということを自分に課しています。

これは、みなさんに私の真似をしろといいたいのではありません。

ただ、計画相談の黎明期に、悲鳴のような利用者やそのご家族からの依頼の電話に応えるなかで導き出した、私なりの「答え」であり「その結果」です。

相談支援専門員として長年従事してきたなかで、利用者の大きなニーズのひとつに、「できるだけ早く、サービスをつかいたい」という潜在的なニーズがあることを忘れてはいけないという思いがあるからなのです。

私たちがすばらしい書類を作成する目的のために、利用者を犠牲にしてはいけないですし、逆に、利用者ニーズに極力応えながら、すばらしい書類をスピード感を持って作成することも大切なことなのです。

であるならば、誰もが納得できる書類を、効率よく作成し、同時に利用者のニーズに応えられる相談支援専門員になることも、重要な私たちの役割だと思っています。

そして、何より、相談支援専門員の負担を軽減し、私たち自身が「持続可能な」職業従事者となるべきだと考えています。


そのニーズに応えるために、私は、いつのまにか『面談をしながら、Wordで面談記録や会議録の下書きを打ち込む』ことができるようにもなりました。

もちろん、面談を行なっている以上、黙って下を向いてぱちぱちと打ち込むなんでやってはいけません。

きちんと相手の顔をみながら、そして話をしながら、ブラインドタッチを駆使して、大まかな記録を取り続けるのです。

誤字脱字、誤変換なんでまったくかまいません。

そんなものは、会議終了後に修正すれば良いのですから。

大切なのは、「私がわかる」範囲で打ち込んでいきながら、会議を進行しつつ、それぞれの報告を打ち込んでいくことです。

なぜ、そうするかといわれれば、結局、手書きの殴り書きで残したとしても、それを清書するために、0から打ち込む時間が必要となるわけですし、場合によっては、手書きであっても自分が何を書いているのかわからなくなることもあり、2度手間になると感じるからです。

それなら、私がわかる文章で会議録を打ち込み、会議終了後に、車内や近くのカフェにでもいって、会議の内容を記憶している間に、Word上ですぐに誤変換や脱字の訂正も行った方が、より、情報の鮮度が高い状況で、私のそのときの感情や思いも反映できますし、時間もかなりの短縮につながります。

また、その結果、会議録の中から、モニタリング項目にあわせてその一部を切り出すだけで、モニタリング報告書の作成もできるようになりましたし、余計な労力もなくなりました。

はやければ、30分もあれば、ぎっしりと書き込んだモニタリング報告書を作成することができます。

同時に、私は先述したように「オンライン記録システム」を導入しており、デジタルデータで残し続けることができるので、モニタリングに書き切れない会議録は、ワードからそのまま添付し残し、そのままレポート出力して印刷、モニタリング報告書に添付して行政機関に提出します。

それは、ある意味、行政に対する計画相談の相談支援専門員からのアクションであり、単にモニタリング報告のための会議をしているわけではないことを暗にアピールしているのです。

そこには、モニタリングの項目にはない、本人の悩みだったり、支援する事業所の悩みだったり、保護者の悩みなど多岐にわたります。

モニタリングに記載できない内容を書く必要あるでしょうから、私は、必ず会議録も添付して提出するようにしています。(もちろん、事業所にも送付するので、とても喜ばれます)

それでも、そのための追加時間は全く必要ないのは、モニタリングと同時に会議録も同時作成することになるからであり、それ以上の情報もないからなのです。


このような私たちの一見無駄にみえるような努力を行うことで、行政機関も私たちの存在を無視できなくなります。

単に行政機関だけに求めるのではなく、私たち自ら、情報を共有するする意思を示すことも大切だと思っています。

ただし、こういったことをしても、ぴくりとも動かない行政があるのみ事実ですが…(苦笑)


あと、最近は、コロナ禍の影響もあり、事前に事業所から報告書を頂くことも増えてきました。

その内容は、意外と長文だったりもしますが、デジタルデータであれば、そのままコピーすれば良いですが、中にはFAX等で送られてくることもあるため、Wordで長文を打ち込む必要がでてくることがあります。

そんなときは、PCやスマートフォンに搭載されている音声入力を行うと、長文でもかなり正確な文章を打ち込むことが可能となります。

一旦、デジタルデータになれば、あとは打ち込むことと何ら変わりないので、スムーズにもモニタリング報告書に添付することも可能です。

また、長文を要約することについては、最近、話題になっている人工知能「チャットGPT」が得意です。

聞き取った文章を添付し「400字で要約して」と伝えると、かなり良い形で要約してくれます。(もちろん完璧ではないので訂正は必要ですが、それだけでもかなり楽になります)

そういったものを利用すると、私たちの業務は大幅に短縮されますが、短縮されることだけを重視するのではなく、短縮してできた時間の余裕を、より良い相談支援に利用したいものです。


正直にいうと、徐々に「サービス等利用計画」の作成に占める相談支援専門員の役割は減少すると思っています。

これからの相談支援専門員にとって、それ以上に必要なのは、人にしかできない「相手の声にならない声を汲み取る力」「相手の表情から事実を汲み取る力」「表出されたことだけではないところにスポットを当て、本音を聞き出す力」「面談後に満足感と安心感を与える力」「相手の喜びや苦しみに心から共感する力」といった、面談力が重要になると思います。

これこそが、AIやロボットにできない、人間としての大切な能力だからです。


最後にみなさんにお伝えしたいのは、『効率化=楽をする』ことではないことだけは、はっきりと伝えて終了にしたいと思います。


以上、書類作成や記録に関するお話は以上になります。

あまり参考にならない内容だったり、すでにご存知で実行している内容もあると思いますが、お役に立てるのであれば幸いです。




前回に引き続きご報告です!

ご好評をいただいております私の計画相談の初任者向けの1日6時間の研修会『計画相談のきほんの「き」最終章〜ファイナル〜』ですが、SNS上での強いご希望もあり、一部公開することにしました。

計画相談のきほんの「き」最終章〜ファイナル〜①


ただし、お金を頂いて開催した研修会ですので、すべてを視聴するためには、有料とさせていただきますので、メールフォームにてご依頼をお願いいたします。

計画相談のきほんの「き」動画視聴依頼フォーム


どうぞよろしくお願いいたします!





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