《4/2世界自閉症啓発デー》自閉症スペクトラム症への理解をお願いします。



私たちが生活する世界が、より生きやすい世の中になるように。

自閉症スペクトラム症の理解をお願いします。

想像してみてください。

私たちは、目や耳、肌の感覚や味や匂いなどの情報が溢れている世の中を生きるために、脳の処理ができる範囲内で必要な情報を選択して脳に入れています。

しかし、自閉症スペクトラム症には先天性もしくは発達段階においての脳の器質的な問題から、目や耳、肌からの感覚や匂いなどの情報の全てが、選択されずにそのままの状態で滝のように脳の中に流れ込んでくるような感覚を持っています。


想像してみてください。



あなたがもし、そのような状況であったとして、人混みや音が響くような空間、例えば、沢山の人がいて、あちこちで宣伝の音や音楽が鳴り響く大型スーパーやデパート、走る音や聞き取りづらい音量の大きな車内アナウンス、狭い空間で人がひしめき合う地下鉄の中などに行くと、果たしてどうなってしまうでしょうか?

実際に、自閉症スペクトラム症の方は、我慢に我慢を続けた結果、不安と恐怖のあまりに大混乱(パニック)を起こすことがあります。例え起こさなくても、恐怖や不安に苛まれ、頻拍数は上がり、呼吸は乱れ、抑えても入ってくる情報を我慢し続けているのです。人のひそひそ話ですら入って来てしまいます。目からも画像をインプットするように入ってきます。

ある自閉症の方はこう表現します。
「目や耳から、何か刺されたような痛みを感じる」と。
また、別の方は、食事は「カミソリを噛んでいるみたい・・・」と。

想像してみてください。

自閉症スペクトラム症には、脳の器質的な問題から、過去の経験を時系列で整理して記憶することが難しいと言われます。頭の中にある様々な記憶が、ばらばらで散らばっているため、過去の経験として留めておくことができずに、毎日、朝起きて、自宅を一歩出れば、様々な出来事が未経験のような生活を送っているのです。

その場面と感情がつながることがしばしばあるため、不快なことがあった場面と同じような場面に出くわすと、突然パニックを起こすこともあります。(フラッシュバック)

目の前のすべてが、予測不能ですべてが未経験のような人生をあなたは毎日歩むことができますか?

何が起きるかわからない恐怖の中にいる彼らに、否定的なことばをかけることができますか?

なぜ、彼らはこのような人生を歩むことができているのでしょうか?それは、彼らが意識をもったときから、そのような人生が当たり前だと信じていたからです。

周りの人ができるのに、自分だけできていないことは、例えことばがでなくても、身動きがとれずにひとりでいるときでも、本人は滝のように流れてくる情報をすべてキャッチしているのですから、あなたよりもはるかに気が付き、あなたよりもはるかに周囲の雰囲気を感じ、あたなよりもはるかにそのことばに傷つき、あなたよりもはるかに苦しんでいるのです。

自閉症はうちにこもる病気ではありません。あふれる刺激や情報をキャッチしてしまうので、自分自身がバラバラになるまえに遮断しないといけない不安と恐怖と戦っているのです。

狭い部屋に逃げ込んだり、毛布や布団に包まったり、イヤーマフをつけたりするのはあらゆる感覚からの情報を少なくするために必要不可欠です。

先がみえないからこそ、自分でその日、その時に取り組むことを決めて、いつも行うことを続けることで、少なくとも本人が見通しをもって生活を遅れるので安心できるのです。そこが、「こだわり」「強迫行為」と呼ばれる生きづらさにつながっているのです。

そんな毎日の人生を戦っている彼らに、事前の細やかな配慮もなく、むやみに人混みに連れ出したり、大声で厳しく注意をしたり、時には叩いてわからせようとしたり、冷やかしでイヤーマフを外したり、「なんでできないの?」と声をかけたりできますか?

まずは知ることからはじめましょう。

そして、自閉症スペクトラム症への理解をお願いします。

特に、福祉に携わっている私たちが!です。


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