計画相談の相談支援専門員を最大限に発揮させるために私がしていること。

計画相談の現状は、決して明るいものばかりではなく、どちらかというと経営的にも不安定と言わざるを得ない状況ではあると思いますが、それでも計画相談の相談支援専門員として長く従事している私たちは、この計画相談の存在意義や役割を感じる者として、どうすれば計画相談支援事業を最大限に生かしながら、運営法人や実際に現場で働く相談支援専門員が「やりがい」「いきがい」を持って勤務できるかを考えています。そこで、悩み多き相談支援専門員にアドバイスをしてきましたが、やはり直面するのは、法人の考え方と、相談支援専門員の考え方のズレです。

私は、法人の経営者として、計画相談の相談支援専門員として、これまでも、計画相談が運営法人や実際に働く相談支援専門員にもたらす良い効果、悪い効果については、繰り返し話をしてきましたが、今回は、実際に私がどのように行なっているか、最大限の効果を発揮できるようになるためには、どうしたら良いのかの私なりの考えをお話したいと思います。もちろん、私が実行した内容すべてが素晴らしいというわけではないですが、実際に、計画相談を設立し、運営し、私自身も相談支援専門員として働いているひとりの相談支援専門員として、どのような処遇や対応が最も動きやすく、働きやすいかを私なりの価値基準でお伝えしたいと思います。


相談支援専門員を管理しすぎないこと

私の事業所では、相談支援専門員の1日の行動については、訪問先や会議の時間は、各々で共有しているGoogleカレンダーでお互いの動きを把握しています。しかし、その間の詳細な行動については、全く把握することはしていません。管理者である私に対して、他の相談支援専門員がどこで何をしているかと尋ねられても、訪問していることや訪問先の場所といったおおまかなことはわかりますが、詳細については答えることができません。というより、私は、私の利用者に対して全力で支援を行なっているのであり、他の相談支援専門員も当然、全力で向き合っていますし、私自身にその余裕もありません。むしろ、私自身が、他の利用者のことを詳細に把握をすることに、必要性を感じていません。ただし、管理者としての責任を放棄しているのではなく、部下である相談支援専門員がミスを犯したのであれば、それは、管理者や法人の責任であることは当たり前のことです。相談支援専門員は、時間でお金を頂くサービスでもありませんので、結果が全てです。仕事をしていなければ、当然、評価も下がります。


相談支援専門員を信頼すること

私の事業所では、入職しておよそ1〜3ヶ月は、私につきっきりの同行研修となります。その間に、私たちの業務の目的や意義を、実際の現場に連れていき、私のことばで伝えていきます。人材育成を行っているのは、当然、私ですので、その後の相談支援専門員の行動等に対する責任は、当然、教育を行なった私にあります。だからこそ、人材育成は、すべて私が責任を持って行いますが、そこでもあくまで自然体、リラックスした状態を心がけています。そもそもですが、法人を含めて私自身が相談支援専門員を雇用しているわけですから、信頼できない人を入職させた責任は法人であり、私にあります。信頼できないのであれば、計画相談は到底任せることはできません。相談支援専門員は、管理しても意味はないと考えており、むしろ、業務実績と評判で評価すれば良いだけなのです。そもそも相談支援専門員が、「法人から信頼されている」と感じていれば、法人を裏切ることは少ないですし、万が一裏切れば、計画相談には不向きと判断すれば良いだけのことです。


相談支援専門員の負担を軽減すること

朝礼、終礼、日報、週報、月報、事業所内会議、ケース会議、事例検討、、、もちろん、全く意味がないとは言いませんが、そうやって私が頻回に相談支援専門員を拘束すればするほど、相談支援専門員の効率化が拒まれ、各々の負担が大きくなっていきます。計画相談支援事業は、管理者が何もせず、ふんぞり返る余裕はありません。全員がそれそれできる限りの担当を持ち、みんなで支えあいながら運営していく必要があるのです。それに反して、相談支援専門員に一方的かつ頻回に時間拘束の負担を求めるのであれば、それは、計画相談に関して全く知らない、実際に業務についたことがない管理者なのかもしれません。少なくとも私は、連絡・情報共有は専用LINEで(専用LINEに書かれていないことの責任は負いません)、研修は、その都度、直面している課題や悩みを聞きながら対応し、日報・月報なんかは、Googleカレンダーでお互いの予定や動き、訪問件数を把握できます。直接、自宅から直行・直帰で訪問に行ってもかまいませんし、記録はオンラインシステムなので、わざわざ 事務所にいる必要もありません。当事業所では、すべての相談支援専門員が、持ち運びできるコンパクトのインクジェットプリンターを持たせています。次の訪問先まで事業所に戻らなくても、途中の空き時間で食事をしながらもOKだし、車やカフェで仕事をして待機してもOK、なんなら昼寝をしていてもかまいません。それは、なぜか?計画相談は、結果と評判が全てですし、結果と評判で評価するからです。


相談支援専門員が、相談支援専門員であることに魅力を感じてもらうこと

相談支援は、直接支援とは役割が大きく異なります。直接支援の現場の評価を、相談支援の現場に置き換えても、うまく行くはずはありません。相談支援専門員に対して、「外で何をしているかわからない人たち」といった言葉がけは、最も言うべきではない言葉のひとつです。逆に、相談支援専門員がもし、事業所内で働く支援者に対して、「施設外のこと、他の事業所のことを何もしらない人たち」と言われたら、みなさんどんな気分ですか?もちろん、売り言葉に買い言葉なのですが、どちらも言っている内容は同じことなのです。相談支援専門員は、法人の信頼という重たいものを背負いながら、その責任を感じて必死で働いています。その中では、うまくいかないこと、理不尽なこと、心を傷つけられることもたくさん直面します。しかし、だからこそ信頼して、自由に外で仕事をさせていただいているという感謝の気持ちを持ちながら、任せてくれる法人の信頼を裏切らないように働いています。「計画相談に従事させてもらって本当によかった」と思っている相談支援専門員の、運営法人に対する忠誠心は大きなものがあります。私は、少なくともそう思っています。


相談支援専門員が計画相談に対してポジティブな思いを持つか、ネガティブな思いを持つかは、運営法人、管理者としての相談支援専門員の対応に、大きな差が生まれる原因となっています。何人もの相談支援専門員と触れ合う中で、計画相談の相談支援専門員の評判が高い事業所は、運営法人が、計画相談に対する役割を理解し、相談支援専門員を信頼していると感じます。積極的に横のつながりを持てる計画相談の相談支援専門員は、相談支援専門員が安心して働いていますし、法人のことを何よりも信頼しています。

今から、計画相談を設立しようとしている法人や、現在、計画相談の運営がうまくいっていないと感じる法人の方々に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。私も、失敗、失敗の連続の上に辿り着いた答えなのですから。





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