ひとり計画相談支援事業所が限界を迎えたときに次にすべきこと

私が実際に経験したお話しです。

実は、私が以前、勤務していた法人で、はじめて計画相談を行ったときに、法人から、最終的に2名のスタッフを計画相談に預けたいと言われたことがありました。その2名のスタッフは、所属事業所内でいろんなことがあり、結果的に法人の評価を下げたスタッフたちだったようですが、相談を受けて「計画相談」で預かることにしたのです。

まぁ、はっきりいうと、このふたりはとても優秀で、その能力を発揮する手段がわからないのは、どちらかというと法人側の方だということに気がつくまで、そんなに時間はかからなかったのですが、その時に、この2名の相談支援専門員を育てた方法というのが、黙って、私に同行させ続けただけなのです。本人が、そのうち「もう、自分でやれそうです」というまで、ただ、ずっと同行させ続けた・・・ということだけなのですが、それで、立派な相談支援専門員となってしまいました。

ちなみに、この二人。結果的に、「使える職員」として、現在も前法人の就労支援の現場で働いている二人なのです。結局、使い物にならないと言って置いていった法人が、最終的に育てた私から引き抜いていき、現場に戻したというお話しだったわけです。相談支援専門員として、地域の事業所を周り、いろんなことを見聞きした職員が現場に戻ると、その現場が活気づくのは当然のことです。他の事業所のことを知っているのですから、どれだけ重宝されるでしょうか。

で、また私はひとりに戻ったとき、私は突如、すべてをひとりで抱えることになったのですが、それがきっかけで、私は体調を大きく崩すきっかけとなったのです。そのときに、法人が動いてくれたのが、「事務員の募集」でした。その事務員さんは、私が前法人を退職した際に、その事務員さんも私が一緒に連れて行く程、私にとっては必要不可欠な存在となっているのです。

この事務員さんがやってくれることは、多種多様で、しかも何も言わなくてもやって頂くので、どれだけ効率的に私が動けるのかわかると思います。

例をあげてみると、、、

①私が利用者やご家族、事業所との会議の日程調整を行うと、グーグルカレンダーの日程を見て、関係機関全事業所に会議開催の日時と場所を記載したFAXを送ってくれること。

②その日、私が訪問する対象者の準備をすべて整えてくれること。

③その日に、私が作成した書類を、共有ファイルから開き、書類に記載されたすべての文字を確認して誤植を探し、必要に応じて訂正してくれること。

④必要書類をご本人や関係機関すべてに郵送してくれること。

⑤福祉課に計画案やモニタリング等の書類を提出してくれること。

⑥計画相談だけではなく、当法人が管理している3つの児童通所支援事業所の請求業務を一手に行なってくれること。

⑦他事業所の請求業務関係の相談を、私の代わりに対応してくれていること。

⑧私が担当する利用者やそのご家族の電話に対応して、なんならお話を聞いて解決してくれていること。

⑨ゴミ出し、清掃など、事務所内のすべての環境整備を行なってくれていること。

⑩書類のファイリングや管理を行い、必要なときに必要な分をきちんと出してくれること。

などなど、書ききれないくらいに私の代わりにやってくれているのです。


私の業務は、この事務員さんのおかげでうまく回っており、もはや、「事業所の宝」「法人の宝」といえます。事務員さんが休みの日は、私が不安でしかたないのです。今では、新人の教育まで行なってくれています(苦笑)

では、この事務員さんもどのようにして育てたのか?

実は、3ヶ月以上、私に同行してもらい、実際の計画相談の現場を見てもらい続けたのです。同行してもらったことで、名前だけではなく、多くの利用者や保護者との面識もできましたし、電話をしていても、相手の顔が浮かぶ中で対応してもらえるようになりました。それ以上に、計画相談の流れを実際に見てもらったことで、何が、どのタイミングで必要なのか、すべて把握することになります。その時には、私が事務員さんに直接、依頼をしなくても、私が出かけるときは、訪問先のファイルや契約書、アセスメント表など必要な準備を行なってくれているのです。事務員さんがここまで行なってくれると、法人の事業所の評価も上がるということは、私自身が一番理解しているつもりです。なぜなら、私に会いに来所する人よりも、事務員に会いに来る人の方が多いのですから!

ひとり相談支援事業所の方が、利用者が増えてその対応や事務処理に困った場合、次に行うべきは、二人目の相談支援専門員を雇い、委ねることではありません。次に雇い、育てるのは、絶対に「事務員さん」なのです。(これは、実際にそうしている計画相談支援事業所なら、みんなうなづいている程、絶対なのです。)

この事務員さんがいることで、私たち相談支援専門員は、今よりも、場合によっては1.5倍くらいの処理速度が発揮されます!十分、事務員さんを雇えるくらいに、利用者の対応がスムーズになり、担当者数も増やすことができるのです。私の法人をやめて独立した相談支援専門員が、まず最初に思うのは、いかに事務員さんの存在が大きかったのか?ということです。私もはっきり言えるのは、今の事務員さんがいなくなったら、私も相談支援専門員を辞めるということです(これは、本気です)。


騙されたと思って、雇ってみてください。そして、できれば、小さなお子様を子育てしている世代の方を雇ってみてください。子育て中の方が、いかに能力があるにもかかわらず、その能力を発揮できずに埋もれてしまっているのか?あなた自身もきっと実感します。


信じるか信じないかは、あなた次第!

これが私の事務員です(笑)

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