計画相談の相談支援専門員を専属にしなければならないこれだけの理由

まだ、計画相談が始まった頃のおはなしですが、まだ、当時は、大手の社会福祉法人やNPO法人は、計画相談に対する人員配置にはとても後ろ向きで、当時は特に許されている面もあったため、多くの計画相談の相談支援専門員は、支援員との兼務からのスタートなんてところも数多くありました。

私は、それ以前から、委託の相談支援事業所に少し足を突っ込んでいた時期もあったため、いかに地域の相談支援事業所が大変で、地域にとって重要な位置を占めているか、故に、現場を仕切っている相談支援専門員がいかに大変かを知っていたため、当時、私が所属していたNPO法人に対しては、やるからには「単独事業所であること」「兼務は絶対に無理であること」を伝えていたので、スタート時は、確かに私ひとりでしたが、良いスタートが切れたと思っています。

実際に、多くの運営法人は、計画相談はどちらかというと「付随」的な存在として評価している法人が多く、実際に、長年、計画相談に身を置くものとしては、そういった考え方に対しては、法人にとって「大きなリスク」になると感じています。

相談支援専門員の役割は予想以上に大きいということ

自立支援協議会や地域のネットワーク会議には、必ず計画相談の相談支援専門員の存在があります。そこは、地域のおける社会資源の代表ともいうべき立場で参加することになるのですが、そういった役割をきちんと担える相談支援専門員を配置しておかないと、所属する法人全体が不安視されることにもつながることを理解しておいたほうが良いと思います。実際に、参加している相談支援専門員の人柄や技術の高さが、通所や入所事業所の評価にもつながってしまっている事実は、あまり理解されていないようにも思います。

相談支援専門員が法人や事業所の広告塔であること

これは、大変申し訳ない話なのですが、あまりに計画相談の相談支援専門員のことばに耳を貸さない、重要視しない運営法人は、いくら雇用契約に記載されていようとも、相談支援専門員は、自法人の愚痴や内部事情を、同業者に対して口にすると思います。もちろん、私たちには守秘義務が課せられていますので、むやみやたらに地域の方々に言うことはないにしても、そういった内部事情を知ってしまった同業者は、利用者やそのご家族に対して社会資源を紹介する際には、残念ですがその法人の名前を挙げることはありません。「言うな」と脅したところで、絶対に止むことはありませんし、最終的には退職者を増やすだけになり、ますます悪評が広がると思います。

単独の計画相談との差が、思っている以上に大きいこと

最近は、計画相談のみを運営している法人も増えてきましたが、単独の計画相談の相談支援専門員の動きは、本当に活発で積極的です。当たり前ですが、実際に自分の働きが利益につながりますし、それ以上に、悪い評判がメインになってしまうと、自分たちの首が締まってしまうため、やはり意識も違いますし、部下の教育にも積極的です。どんなに大手の法人が運営している計画相談であっても、利用者やそのご家族の評価は、やはりその動きや支援内容がメインとなりますので、意識の違いは大きな差を生み出しています。

計画相談の相談支援専門員となり、９年目に入った私は、たくさんの計画相談の相談支援専門員と接点を持ってきました。もちろん、単独事業所の設立相談や、計画相談の相談支援専門員として、人材育成や教育の依頼も数多く受けてきました。実際に、その業務内容は多岐にわたりますし、その責任の大きさは、実際に行った人しかわからないものだと思っています。机上での数字だけを追うのであれば、そこに見えてこない「計画相談の価値」には、きっと気がつかないでしょうし、計画相談がみなさんの法人に対してどれだけの影響を与えているのか、知るよしもないと思います。

これこそまさに「知らぬが仏」です。

最近は、私の近隣でも、計画相談の縮小・廃止のお話はたくさん耳にしています。しかも、しの多くは、社会福祉法人であったり、NPO法人です。逆に、相談支援専門員が二桁に迫る単独事業所も地域に増えてきました。ここにきて、継続が困難になりつつある計画相談支援事業所が、そのような事業所に合流する話も増えてきました。毎日、必死で行ってきた計画相談が、合流したことで加算が最大になるため、運営に余裕も出てくるようになったのです。相談支援専門員８名体制で、総契約者数７〜８００名、年間売上高４０００万円をゆうに超える事業所もあります。しかも、相談支援専門員も契約者も未だ増えています。

みなさんにお聞きしたいのですが、地域にこんな相談支援事業所があったら、そう簡単につぶすことができると思いますか？むしろ、実際には、小さな計画相談だけではなく、基幹相談、行政機関も大きく頼りにしているのです。

計画相談は、やはり安易に考えないほうが良いと思います。

気がつけば、この人たち全員計画相談の代表（笑）