周辺で事業所がなくなる理由
しかし、最近になって、またいろんなところで、「事業所閉鎖」「事業所休止」「内部分裂」「内部崩壊」といったキーワードをよく耳にするようになった。
どこかの事業所を特定して話をしたいわけではないが、こういった話は、多くはないにしろ、定期的に耳にする。
現在では、特に放課後等デイサービス界隈でよく耳にすることがあるが、その他の障がい福祉サービスも特に変わらない。
理由としては、設立ラッシュが現在も継続しているからだろう。
特に、放課後等デイサービスにおいては、まだ始まって10年前後のサービスであり、ここにきて他業種からの参入もあり、事業所設立数は右肩上がりだった。
しかしながら、最近は、地域ニーズも飽和状態に近づいてきており、事業所運営も以前のように数ヶ月で黒字化・・・といったことは少なくなった。
それでも、古い情報を掴まされている人は、未だにその数字に踊らされて、新規参入を急いている。
ただ、こうやって事業所の数が増えてきているにも関わらず、競争に負けて事業所を閉鎖するところは未だ耳にしない。
自由主義経済の中で、適度な競争が行われ、サービスの質を向上させていく事業所が増えるなかで、選ばれる事業所とそうではない事業所が出てきて、閉鎖が増えている・・・ということは、実はそう多くはない。
では、「事業所閉鎖」や「事業所休止」に追い込まれる原因は何か?
それは、事業所が採用した「人」、求人に応募した先の「法人」の問題である。
事業所側からすれば、採用してはいけない「人」を採用した結果、職員側からすれば、応募してはいけない「法人」に応募した結果、「内部崩壊」「内部分裂」が生じたのである。
設立したばかりの、投資したばかりの新しい環境なのに、あっというまに配置基準を満たすことができずに、休止、閉鎖に追い込まれる。
新しく事業所を設立するにあたり、数百万の費用をかけて、さらに指定を受けるまでの賃貸料や人件費を払い、ようやく開設できたかと思えば、職員が大量にやめたり、逃げたり、中身を崩壊に導いたり。
横領、搾取、本当に福祉事業所の話なのか?といった情報が、周辺を駆け巡っている。
特に、計画相談にはあっという間に情報が伝わる。
初めての設立ではなくても、同様のミスを犯す事業所も度々見られる。
そもそも、この業界の現実を知らない、ある意味『情報弱者』が、設立のノウハウだけを身につけた自称コンサルに促されて始め、絶対につかんではいけない「人」を採用し、「新しい福祉のカタチ」を謳い、意気揚々とスタートし、そして崩壊に導かれる(のだと思う)。
すべては、知っているようで何も知らない人たちが事業運営を行なっているのが、この障害福祉業界の現実なのである。
他人の目は騙せても、業界に長年勤務して、管理運営を行なってきた人からすると、事業所の職員の状況や配置を見ただけでも、ある程度のリスクを察知することもできる。
「なぜ、障害福祉の現場は人材不足なのか?」
「なぜ、障害福祉の採用は難しいのか?」
「なぜ、障害福祉の事業所の職員は安定しないのか?」
「なぜ障害福祉の現場では、当たり前が通用しないのか?」
そういった現実と実情を理解し、そのリスクを検討して行動している人たちは、安易な事業運営や事業展開、職員配置は行わないのだ。
あえて言えば、専門職と呼ばれる人がすばらしい支援を行う保証は何もない。
あえて言えば、専門職と呼ばれる人がすばらしい支援を行う保証は何もない。
ましてや、児童分野がここまで進んだのは、ここ数年の間だ。
介護分野や障害者福祉分野とは違い、それまでは児童分野の支援者など、そう多くは存在しなかった。
ここ数年で専門職を名乗る人たちが増えたのだ(その中でも、本物の専門家がいることは言うまでもない)。
(仕方のないことだが)専門職を名乗る、専門性のない人たちの巣窟が、今の児童福祉分野と言える。
利用する側の方々には酷にうつるかもしれないが、本質的な部分を知らずに期待しても、裏切られるだけだ。
ただ、例えそういった業界であっても、良い事業所は数多く存在する。
それは、事業所及び支援者の努力の賜物だと思う。
謙虚に、ひたむきに学び、経験を積み、自らの支援を顧みて、取り組んできた結果だと思う。
そして、そういった事業所は、時間の経過とともに増えている現実もある。
だからこそ、場合によっては教祖のような「専門家」がいる事業所こそが、リスクになりえることも今一度、認識しておくべきだと思う。
わかる人には、きっとわかってもらえるはずだ。
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