研修を行うことで人材は育つのか?

29日の今日、午前中に新規の契約とアセスメントからの計画案の作成を1件行なってきましたが、これで、私の今年の計画相談としての業務は終了となりました。

計画相談に関する月末締めの請求業務については、事務員さんが行なってくれているので、私は何もしなくても安心です。

事務員さんは、明日まで出勤するとのことで、なんとなく申し訳ない気持ちですが、もうひとりの相談支援専門員も、明日まで出勤するとのことで、上司である私がおやすみなのですから、本当に頭が下がります。

結局のところ、こうやって自分の責任において、最後まで業務に取り組んでくれる職員たちの姿こそが、彼らと私、彼らと法人、彼らと利用者さんやそのご家族の信頼をつくりあげていくのだと思います。

そういったすばらしい人材に恵まれて、私は心から感謝しなければならないと感じます。


では、私は職員採用を含めて、人を見る目があるのかといわれたら、おそらく「無い方」だと思っています(苦笑)

そして、私が研修などを行なって、彼らを育てたのか?と言われたら、正直に言うと実際には何もしていません。

いや、本当に何かしたっけか?(汗)


私がやったことといえば、本人が「もう大丈夫です。自分でやってみます!」というまで、毎日のように私に同行してもらっただけです。

何かを急がせるわけでもなく、指示を出した訳でもなく、期限を決めて同行させたわけでもありません。

ただただ、本人が自分からOKを出せるまでは、ずっと同行してもらっていました。

本当にそれだけです・・・って、本当にそれしかやってない(汗)


そもそも私は、職員に対して研修をしているから素晴らしい人材に育つとは、全く思っていない人間です。

ましてや、私が法人内の研修担当をしていますが、職員に対して研修したことによって成長してくれるという期待すらしていません。

座学やグループワークを細かく提供したとしても、おそらく、計画相談を行なっている相談支援専門員であっても、何も変わらない人の方が圧倒的だと思ってしまいます。

なぜなら、どんなに素晴らしい研修を聞いても、容易に自分のこととしては捉えられないし、研修内容を十分理解し、受け入れて、そのように取り組むことはほぼなく、なんだかんだで自分の価値基準をベースに利用者との対応をしていると思うからです。

ほぼ、そのような相談員としか会ったことがありません(苦笑)


知識や技術を学んだとしても、実際に現場でそれを使うには、常にそのことへの意識を持ちながらの行動とその評価を自ら行い、反省し、改善していくことが重要ですが、実際にはそう簡単にできることではありません。

ましてや、皆さんの身近にいる上司ですら、上記のような行動ができているという人は、正直、少ないのではないかと思います。

上司だから支援技術も人格も素晴らしいということは、現在のこの業界においては「死語」かもしれません。


結局、その人自身が、自分の業務のなかでリアルな課題に直面して、精神的にも肉体的にも追い込まれたときに、初めて自分のこととして認識して、謙虚に周囲の言葉に耳を傾けられるようになると思うのです。

日々の研修は、結局のところ、そういった場面に直面した際に思い出すための「タネ」を撒いている状況ではないかと考えています。

なので、私は撒いたタネが芽をだし、成長し、実がなるまでは、どの程度の時間を要するかと予測をすることすら不可能と考えています。

私の中では、私が人を育てているのではなく、その人が勝手に問題を生み出し、そして問題に直面していることを認識し、問題に対しての対応を右往左往して考え行動するなかで、勝手に育っていくというのが正解のような気がしています。


しかし、植物でも成長過程において、蔓があちらこちらに伸びていき、あるときは壁をつたったり、そのあたりにある棒に絡まったりすることはよくありますが、伸びる方向を示してあげることはとても大切だと思うのです。

その方向性を示す作業が、私たちが定期的に行う研修やスーパーバイズではないかなと考えています。

そのため研修内容は、より「リアル」で「身近な課題」として親近感が湧くくらいの研修内容であってよいのではないかなと個人的には思うのです。

私たちの業務は、その時々の状況に応じた柔軟な対応を求められる業務なので、どちらかというとマニュアル化しにくい業務だと思われます。

そのため、うまく立ち振る舞わないと、支援者のこころをエグるような大きな課題に直面し、疲弊してしまう場面が多いのも事実です。

結果、自分の存在意義を見失ってしまうと、途端に支援者として利用者の前に立つことに対して、恐怖を感じることもあるのです。

ただ、そんな状況を救うのが、上司である私たちも、今、正に直面している皆さんと同じ課題に直面して、失敗して、恥ずかしい思いをして今があるということを伝えることではないかと思うのです。


同行研修をすることで、私の実際の失敗場面もたくさん見てもらえます。

先日は、計画案を作成しにいくのにPCを忘れるという失態を平気で行った私です。

上司の失敗こそが、部下を安心させ、積極的に前に向かっていける力になるのかもしれませんね。

なので、同行研修も講座のような座学研修も、リアルなあるがままを伝えるように心がけています。


そんなあるがままの計画相談向けの研修を、来年6月頃に行う予定です。

『計画相談のきほんの「き」』

過去に3回ほど行なっているのですが、そこそこ好評のようで、今年も開催が決定しています。

まぁ、ご近所の方は興味があれば是非、ご参加ください〜

(・・・って宣伝か!)



文と写真はなんの関係もありません・・・ただ、よく似てんな〜






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