権威的、万能感を感じること
計画相談の相談支援専門員が最も排除すべきなのは、権威的になることと、万能感を持つことだと思います。私は、元々PSWであったからかもしれませんが、権威的な立場になるということは、まさに専門性を喪失している時だからと感じます。以前の私は、権威的なPSWだったと思います。それは、患者を管理することが評価される職場だったから。結果的に次の職場では、そのギャップに苦しむことになります。やることなすこと、すべて間違いでしたし、自分でそのことに気がついた時の恥ずかしさと、行き場のない悔しさと、まぁなんとも言えない複雑な感情に苛まれることになります。そして、今は、別の形で「権威的」「万能感を抱いている」支援者や相談支援専門員との関わりをもつことで、私はフラッシュバックのように当時を思い出し、ひとり勝手に自分の過去の感情で赤面することになるのですから、その苦しみは未来永劫かもしれません。それくらいに、気がついてしまうと、もういいてもたってもいられなくなるのです。私は、いつも自分にも周囲にも「謙虚であり続けたようがいいよ」と言い続けます。「あなたに他人を変えるとか、状態を良くするとか考えていること自体が間違いだ。」「自分がやったことに評価されたからといってうぬぼれてはいけない」「その人にとって、必要だから取り組んだだけで、自分の自尊心を育むためにやっているのではない」ということを伝えるようにしているのは、私は、これまでの経験を通して幾度となく、自ら気がつけなかった自分を思い知らされたからです。
そもそも、「人の役に立ちたい」というみなさんの想いは尊重されるべきですが、その思いを前面に出すことは、専門性としては最低だと思います。新人や経験者でもあたらしい領域での仕事をする際に、「自分の力の無さに失望する」といった気持ちになることがありますが、私はそのような気持ちを抱くことそのものは重要なことだと思っています。それは、自分のその時々の力の限界を知ることが、自らを戒め、謙虚に学ぶ姿勢につながり、その後の成長のためにとても重要だからと思うからです。それは、相手がいる仕事(対人援助職)だからこそ、自分に失望しても、相手を失望させることは、極力避ける必要があるからです。もし、私たちの思い通りにならないことに失望しているのであれば、むしろ安心してください。それは、あなたの思う選択ではなかったかもしれないけれど、少なくとも相手が自分で選択をしたということですから。その背景には、あなたの「理想」があり、「期待」があったのです。たとえ、あなたがそれは「失敗」だと思ったとしても、それは本人が「失敗した」と感じなければ失敗ではないですし、「失敗した」と感じたら、本人は、その失敗を通してそこから学びが得られるのですから。あなたに、相手の「失敗する権利」「失敗から学ぶ権利」を奪うことはできないのです。想像してみてください。あなたの人生は、失敗のないレールが引かれています。踏み外さなければ、失敗は一切ありません。すべてがうまくいくのです。さぁ、あなたは、どんな人生を歩みますか?
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